シロアリ駆除を自分で行う方法を有資格者が解説【DIY】|シロアリ1番!

COLUMN

シロアリコラム

投稿日 2018.08.10 / 更新日 2023.05.23

シロアリ駆除

シロアリ駆除を自分で行う方法を有資格者が解説【DIY】

WRITER

木村健人

WRITER

木村 健人

しろあり防除施工士

木村健人

シロアリ・木材腐朽菌に対する木材保存・薬剤性能評価について在学中に研究。2009年新卒でテオリアハウスクリニックに入社。数千件のシロアリ調査・駆除に従事。現在はWEBマーケティングを担当。

「自分でシロアリ駆除をやるつもりです」
「どうやってシロアリ対策すればいいのかな」

この記事では、私たちプロが自宅の床下をDIYでシロアリ対策をする場合、どうやって行うかを解説します。一般的に購入できる商品・薬剤で、プロ並のシロアリ対策を考えましたので、自分で床下の対策まで興味があるという方はぜひ参考にしてみてください。

注意
当記事の防除方法はプロが実際に行っている作業をもとに作成したやり方です。床下は危険を伴う作業となりますので、難しいと感じた場合は無理をせず専門業者に依頼するようにしてください。なお、当方法により事故や怪我などをされた場合でも、当社は一切の責任を負いかねますので充分にご注意ください。

自分は床下に入れる?【チェックシート】

シロアリ防除施工は床下に入って作業します。そのため、想像以上に過酷な工事です。自分が床下に入ってシロアリ対策できるかが心配な方はこちらのチェックシートを見ておきましょう。

狭くて暗い空間に恐怖心がある
ムカデやゴキブリなど虫が苦手
全身汚れるのは嫌
体力に不安がある
配管などの構造物を壊すのが不安
飛び出た釘などでの怪我が怖い
チェック項目が1つでも当てはまる場合は無理にシロアリ対策をせず、専門のシロアリ防除業者に依頼しましょう!

シロアリ1番1調査申込み

プロの床下DIYシロアリ対策

それでは、ここから実際の作業方法について解説します。今回は、床下調査をシロアリ1番!調査担当の加藤さんに、床下シロアリ工事をシロアリ1番!工事担当の田中さんに協力していただきました。普段、プロの方々がどのように作業しているのかを見てみましょう。

加藤
加藤
シロアリ1番!調査担当の加藤です。私は主に事前調査の項目を解説していきます!
田中
田中
シロアリ1番!工事担当の田中です。後半の工事の部分を解説します!

今回の記事は床下に入る本格的な対策ですが、自分でできる簡単なシロアリ対策についても別のコラムで解説しています。まずは身の回りのシロアリ対策から始めたい、という方におすすめの内容となっていますので、そちらも併せてご覧ください。

1.床下をくまなく調査する

まず、床下に薬剤を処理する前に、床下の状態を確認しておきます。プロが実施するシロアリ防除作業でも事前調査は必ず行っているほど重要な作業です。ちなみに、基本的にシロアリ対策工事は下記スケジュールで行います。

1日目 調査道具・服装準備
2日目 事前調査
3日目 工事資材準備
4日目 シロアリ対策工事
加藤
加藤
駆除は一日で終わると思われがちですが、実際には準備、点検、工事とやることが沢山あります。トータルで4日間ほど見ておくと安心ですね。

床下調査の道具・服装

床下は建物の中とは言え、土が露出していたりホコリが堆積しています。一度中に入ると全身が泥まみれになるため、全身を覆える服装が必須です。また、舞い上がった土ホコリを吸い込まないために防塵マスクも必要となります。

床下調査の方法

床下に入るには、床下点検口や床下収納庫が設置されている必要があります。もしも床下点検口が無い場合は、別途作成する必要がありますので、工務店やリフォーム店、防蟻業者に作成を依頼しましょう。(点検口1箇所の相場は3万円前後)

1.点検口の周囲はビニールや新聞紙などで汚れ対策をする
点検口の養生
床下では想像以上に体が汚れます。保護具などに付着した土汚れで室内を汚してしまう恐れがありますので、周囲をシートなどで養生しておきましょう。
2.床下に入る準備をし、床下に入る
床下の点検
保護具を着用して床下に入ります。体格にもよりますが床高30〜40cmあれば進入することが可能です。点検は2人1組で行い、1人が点検を、もう1人が点検口の開け閉めを担当しましょう。点検口を開けたままだと、他の人が足を踏み外して怪我をしたり、ペットが誤って床下に入る危険性があります。また、ホコリが部屋に舞ってしまいます。
3.床下をくまなく点検する
床下点検
見るポイントは、「床下が全て通れるか」「シロアリ被害がないか」の2つです。図面を持ち込み、自分がどこを通ってきたかをチェックします。
シロアリ被害は、主に「地面から蟻道が伸びていないか」「木材が傷んでいるところがないか」を確認します。
加藤
加藤
全面入れない、または被害がある場合はプロに依頼を
点検を実施して床下全面入れないことが判明した場合、DIYでの対策は困難なためシロアリ駆除の専門業者に依頼しましょう。同様にシロアリの被害と思われる痕跡が見つかった場合も、プロに対処してもらうのが賢明ですね。

2.シロアリ対策用の道具を準備する 

服装は点検時のものと同様です。ここでは、主にシロアリ対策工事で使う道具を準備します。

薬剤は市販で購入可能かつ、安全で高性能な薬剤を選びました。有効成分はフェニルピラゾール系のピリプロールを主成分とした薬剤で「シロアリが気づかない非忌避性」「遅効性、伝播性」「効果が持続する持続性」をバランス良く持った薬剤です。

  • 土壌処理用薬剤
  • 土壌処理は、平米数の約3倍(33㎡なら100L)使用します。自宅1階が33㎡で上記土壌薬剤を使用する場合は、製品2本を購入しましょう(製品1L×50倍希釈=50Lのため)

  • 木部処理用薬剤 
  • 木部処理は、平米数の0.3倍(33㎡なら10L)使用します。自宅1階が33㎡で上記木部薬剤を使用する場合は、製品1本を購入しましょう(製品1L×20倍希釈=20Lのため)

  • 噴霧器、ホース、タンク
  • 噴霧器は業務用のものを使用するのがベストです。購入すると20万円以上の出費となり現実的ではありませんが、上記レンタルが可能な場合はレンタルがおすすめです。

  • 養生用品(マスカーテープなど)
  • 点検口から玄関まで防護服を着たまま通れるように養生シートなどを準備して汚れ対策をします。

田中
田中
手押し噴霧器でのシロアリ対策は不可能
シロアリ対策DIYでよく紹介されている4Lタンクの噴霧器。これで床下のシロアリ対策をするのは現実的ではありません。理由は、100L以上の希釈薬剤を散布する必要があるからです。仮に100Lを4Lタンクで散布する場合、25回も薬剤を入れ替えなければならず、これはプロでも体力的に厳しい作業となります。しっかりシロアリ対策をするなら動力噴霧器とタンクは必須アイテムと言えるでしょう

3.床下で薬剤処理

機材や道具の手配が完了すれば、あとは床下にシロアリ対策を施すだけです。工程は下記表の通りとなりますが、基本的には木材への処理と土壌への処理の2つの作業があります。

9:00 準備 噴霧器の設置や薬剤の希釈、点検口付近の養生をおこなう
10:00 木部処理 床下の木材(土台や床組)に防腐防蟻剤を処理する
12:00 休憩
13:00 土壌処理 土壌面(コンクリートの場合はコンクリート表面)に防蟻剤を処理する
15:00 片付け タンクの掃除、養生の片付けなどをおこなう

※1時間ごとに10分以上の休憩をとりましょう

準備

作業は1日かかると想定して、午前9時ごろから準備を開始しましょう。プロが作業する場合は3時間ほどで完了しますが、初めての方の場合は倍以上かかると考えておいたほうが良いです。

1.機材の設置
機材の設置
機材やタンクは重いため、庭や玄関など建物の外に設置します。おすすめの場所は玄関前や勝手口前、掃き出し窓前です。ホースを伸ばして施工するため、建物の出入口が近いと作業が捗ります。設置場所が決まればタンクと機材を組み立てましょう。
2.養生
養生
機材の設置箇所に1番近い出入口から点検口まで床に養生を引きます。点検口周囲は、ホコリ対策のためにビニールで覆うのがおすすめです。
3.木部用薬剤の希釈
まずは木部用薬剤を希釈します。1㎡あたり0.3Lが基準のため、33㎡なら10L調製します。
4.保護具の着用
つなぎやマスク、ゴム手袋、保護メガネを着用し床下に入る準備をします。工事で使用するライトは両手が空くヘッドライトがおすすめです。

木部処理

準備が完了したら床下の処理を行いましょう。まずは木材の処理からです。

1.ホースを伸ばして床下に進入する
ホースを伸ばす
ホースの伸ばし方は、自分の腕に輪を作るようにホースを巻いて床下に持っていきます。こうすることで、ホースを絡ませること無く床下まで運ぶことが可能です。点検口付近は点検時同様に落下の危険があるため、1人が点検口の開け閉めをする役を行います。(2人で作業を実施しましょう)
2.床下の木材表面に薬剤を吹き付ける
木材への薬剤処理
束柱、大引き、土台、根太に薬剤を散布します。散布すれば木の色が濃く変化するので、木材表面をすべて濃くしていくイメージで奥まで散布しましょう。また、希釈した薬剤は全て使いきります。ちなみに、右利きは反時計回り、左利きは時計回りで作業すると効率的に動くことができます。
田中
田中
玄関や勝手口、在来浴室周りは重点的に
シロアリ被害が極めて多い玄関や在来浴室周辺は、木部処理をより重点的に処理しましょう。土台と基礎の隙間やブロック基礎の表面や隙間、床組の隙間などをしっかり処理することがシロアリの予防につながります。

土壌処理

木部処理が終われば、ホースを置いたまま一旦床上に上がり呼吸を整えましょう。休憩に丁度いいタイミングなので、保護具を脱いで昼休みにしても良いかもしれません。

1.薬剤を希釈する
木部用とは異なる薬剤を使用するため、再度薬剤をタンクで調製します。このとき、木部用の薬剤が残っていると混ざってしまうため、木部処理剤は使い切っておきます。土壌用薬剤は1㎡あたり3L程度使用するため、1階床面積が33㎡なら100L調製しましょう。
2.床下に再度進入する
床下に侵入
噴霧器のスイッチを付けたら、保護具を着用し床下に進入します。ホースは奥に置いてきてあるので、ホースの先端(ノズル)が置いてある場所まで移動します。
3.奥から薬剤を処理する
床下への薬剤散布
土壌処理は基本的に床下の1番奥から散布を開始し、点検口周囲が最後になるように処理していきます。土壌表面に薬剤を散布するため、散布した場所を通ることができなくなるためです。
重点的に散布するポイントは、立ち上がり部分となります。基礎のキワ、配管の根元、束柱の根元など、シロアリが地中から登って来れる場所を帯状に散布しましょう。
処理箇所 散布量
帯状散布 基礎、配管、束柱等の立ち上がり 1mあたり1L
面状散布 床下の地面全体 1㎡あたり3L
4.点検口付近で薬剤を使い切る
点検口の真下まで戻ってきたら、ホースを床に上げてから自分も床に上がります。点検口から床下を覗き込むように薬剤を散布して完了です。(薬剤を残さないよう、使い切れるように処理しましょう)

片付け

作業が終われば、あと片付けをして完了です。

片付け

  • 養生の撤去
  • 点検口をもとに戻す
  • ホースの巻取り
  • タンクや噴霧器の清掃
田中
田中
散布した薬剤の効力は5年間と長期的に維持されます。ただし、現在の薬剤は環境に配慮して5年以降は自然に分解されるように設計されているため、5年を目処にシロアリ対策の再処理を行うことが建物を維持管理する上で大切ですね。

自分でシロアリ対策をする際の注意点

自分でシロアリ対策を行う上での注意点はすでにいくつかご説明しましたが、最後に触れていないことも含めてまとめておきます。

必ず2人で作業する
点検口からの転落防止やペットの床下への誤侵入防止のために必ず一人は床上で待機するようにしましょう。また、1人だけで作業した場合、万が一床下で怪我をしたら助けてもらうことができません。
ヘアスプレー、芳香剤などが使えない人は医師に相談
これらの匂いに体が反応するなど化学物質過敏症の症状がある場合は、医師に判断を仰ぎましょう。基本的に超低臭性で揮発することのない薬剤を使用しますが、化学物質過敏症の方には床下への薬剤散布を推奨しておりません。
魚類、昆虫は別の部屋に避難させる
床上で間違って薬剤を噴射させてしまった場合、近くで飼育している魚や昆虫に対して悪影響となる可能性があります。シロアリ用の薬剤は人など哺乳類に対しての毒性はほとんどありませんが、昆虫や魚類に対して強い毒性を示しますのでご注意ください。

自分で出来ないと感じたときは

今回ご紹介したプロ直伝のDIY床下シロアリ対策については、もちろんこれを再現できれば完璧に近いシロアリ対策となります。しかし、初めての方が実際に作業するにはほとんどの方が難しいと感じたかもしれません。

木村
木村
私自身の考えは、自分でできることは自分でやり、自分では難しいと思ったことはプロに任せるのがベストだと思っています。

今回、床下のDIYシロアリ対策を特集する際、「初めてでも誰もが実践できそうな内容にすべきか」それとも「無責任に不十分な内容を書くより、多くの方が出来なくてもプロとして恥じない内容にすべきか」のどちらにするかで悩みました。ですが、やはり不十分な内容のものを書くのは、誰の利益にもなりません。

「やっても効果が無かった」となるよりは、「それだけ難しい作業なんだ」と知っていただくほうがよっぽど大切です。床下のシロアリ対策は、事実としてプロの作業と素人の作業は見えない部分が大きく異なります。

内容 プロの作業 一般の方の作業
養生(汚れ対策) 点検口周囲を全面囲った対策 シート等での対策
機材、道具 専用噴霧器、工具、ノズル等 レンタル噴霧器
床下作業 木部および土壌処理、駆除処理 木部および土壌処理
玄関・浴室の処理 注入処理あり なし(不可能)
知識・経験 豊富 なし
費用(50㎡の場合) 140,000円前後 約70,000円〜

 
特に、プロの作業内容には床下の処理に加えて玄関や在来浴室の注入処理が含まれています。玄関や在来浴室は床下空間の無い直張り構造です。

プロはドリルで小さい穴を開け、床下空間の無い部分にも薬剤を注入する技術を持っています。この作業はさすがに一般の方が実施するのは困難です。「自分ではできないかな」「専門的な床下の対策はプロにお願いしよう」と感じた方は、無理をせずに専門の防蟻業者にお願いするのがベストな選択です。

項目 日々のシロアリ対策 床下のシロアリ対策
床下対策は自分でできない 自分で実施 プロに依頼
床下も自分でできる 自分で実施 自分で実施

 
上の表のように、日々の生活でのシロアリ対策は基本的にお客様自身が、床下のシロアリ対策は、出来なければプロに、できるなら自分で実施してみる、という考え方を皆さんも覚えておきましょう。

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「クリーンなイメージとしてのシロアリ防除業界のパイオニアであり続ける」。私たちシロアリ1番!は、安心で確実なシロアリ駆除・予防をご提供するため、お客様のことを第一に考えたサービス作りをします。点検・工事・お見積りのことなど、シロアリ対策でお困りの点がありましたらお気軽にご相談ください。

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