バリア工法は他のシロアリ駆除と何が違う?ベイト工法との比較も|シロアリ1番!

COLUMN

シロアリコラム

投稿日 2023.07.18 / 更新日 2023.08.10

シロアリ駆除

バリア工法は他のシロアリ駆除と何が違う?ベイト工法との比較も

WRITER

田中勇史

WRITER

田中 勇史

(公社)日本しろあり対策協会 防除技術委員

田中勇史

大学では昆虫類の研究に携わる。2007年テオリアハウスクリニックに新卒入社。これまで3000件を超える家屋の床下を調査。皇居内の施設や帝釈天といった重要文化財の蟻害調査も実施。大学の海外調査にも協力。しろあり防除施工士。白蟻専科研究室長。
YouTube:シロアリ駆除Channel

「バリア工法ってどんなシロアリ防除工法ですか?」
「ベイト工法との違いってなんですか?」

バリア工法はシロアリ防除の中で最も普及している工法です。シロアリ1番!でも、スタンダードプランでバリア工法による施工を提供しています。

この記事では、バリア工法の仕組みや効果、メリットや作業内容について解説します。

バリア工法は最も普及した施工法

シロアリ防除工事で現在最も一般的な施工方法となっているのがバリア工法です。バリア工法は別名、液剤工法、液剤施工などと呼ばれ、名前のとおり液体状の薬剤を使用しています。

バリア工法

具体的には、住宅の床下に液状の薬剤を散布してシロアリを駆除するのと同時に、バリア層を構築しシロアリを住宅内に入れないよう予防的処理を施す施工法です。

住宅構造によっては、玄関や浴室などへの液剤の注入処理を行うなど、住宅に合わせた施工が可能な工法でもあります。

仕組み

バリア工法はシロアリの習性を利用した工法のため、非常に合理的で素早い駆除が可能です。

シロアリは基本的に土壌中に巣があり、土の中で活動する昆虫です。そのためシロアリが住宅に侵入するには基礎や束柱(床を支える柱)を伝い上る必要があります。

シロアリの侵入経路

また、太陽光や空気の流れ、乾燥を嫌うため、建物の外部からではなく暗く湿った床下を経由することがほとんどです。つまり、床下の侵入経路を薬剤処理により遮断することで駆除および予防ができます。

床下への薬剤散布

(写真)床下の土壌処理の様子。土壌全面にバリア層を構築する。
木材への薬剤処理

(写真)床組の防腐防蟻処理の様子。露出した木材に薬剤を散布する。

 
実際の施工では床下に作業者が潜り、木材部分への薬剤処理と土壌面への薬剤処理を行います。これを床下全面に行うため見えないバリア層が作られます。これがバリア工法の由来です。

シロアリ被害があった場合には被害箇所に直接薬剤を注入して駆除が可能なため、素早く被害を食い止めることが可能です

バリア工法のメリット、デメリット

バリア工法が最も普及している理由はメリットが多くあるためです。具体的なメリット、デメリットを見てみましょう。

バリア工法のメリット バリア工法のデメリット
・素早い駆除が可能
・一度の施工で5年間効果が持続する
・他工法と比較して安価
・多くの業者が取り扱っている
・家の中に処理をする
・外来種シロアリには効果がない

バリア工法のメリット

素早い駆除が可能
前述のとおり、直接的に被害箇所への施工が可能なため素早い対処が可能です。使用する薬剤も残効性がありつつ遅効性、即効性を兼ね備えたものもあります。この点は他工法と比較して大きなメリットです。
一度の施工で5年間効果が持続する
シロアリは生き物ですので、一度駆除しても別の場所から侵入することがあります。そういった再発に対処できるのがバリア工法です
バリア工法で床下を施工すると、薬剤が木材や地面に付着した状態で定着します。薬剤は環境に配慮し自然に分解されるように設計されていますが、5年間の保持期間があるためその後の侵入を予防することができます。
他工法と比較して安価
ベイト工法などの他工法と比較すると5年間トータルのコストは最も安価です。理由は工法が統一されている点や、工事車両がバリア工法に最適化されている点などが挙げられます。シロアリ防除業者の多くがバリア工法をメインとしている点も価格が抑えられている点と言えます。

バリア工法のデメリット

家の中に処理をする
薬剤自体は床下に散布するため室内に上がってくることは無く、安全面も問題となることはありません。しかし家の中への処理自体に抵抗がある方にとってはバリア工法はデメリットとなります。

ただし、近年の薬剤は揮発性も無いに等しく、シックハウスなどの原因になることもありません。唯一、市販の殺虫剤や芳香剤などが使えない化学物質過敏症の方にはバリア工法による施工を推奨しておりません。

外来種シロアリには効果がない
日本の一部地域に定着しているアメリカカンザイシロアリは、建物の木材に直接入り込む生態を持っているため、床下からの侵入を防ぐバリア工法では予防ができません。ただ、ベイト工法などの別工法についてもアメリカカンザイシロアリには効果がありませんので、これはバリア工法に限った話ではありません。
アメリカカンザイシロアリの対処には、公益社団法人日本しろあり対策協会の乾材シロアリの総合管理システムを基に物件に応じた対処が必要となります。

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バリア工法とベイト工法の比較

バリア工法と比較される工法にベイト工法があります。ベイト工法はバリア工法よりも薬剤使用量が少なく、より安全性を意識される方に選ばれている工法です。

この2工法は施工方法や管理方法に大きな違いがあります。どちらを選ぶべきか分からない方も非常に多いので、両者を比較してみました。

バリア工法 ベイト工法
仕組み ・床下にバリアを作り侵入を防止
・シロアリを直接駆除
ベイト剤(毒餌)でシロアリを駆除
施工箇所 床下、玄関など 建物の外周、被害箇所
薬剤 ・液状の薬剤
・協会認定品
・脱皮阻害剤(IGR剤)
・協会認定品
持続性 5年間 契約解除まで効果が持続
保証 5年間 契約期間中
即効性 施工後すぐに効果を発揮 施工から1,2ヶ月以上
安全性 安全性は高いが化学物質過敏症の方は非推奨 安全性が高い

 
バリア工法とベイト工法の大きな違いは、シロアリに対するアプローチの仕方です。バリア工法は建物への侵入を防ぐのに対し、ベイト工法は敷地にいるシロアリを減らしていく方法を取ります。

シロアリ駆除の土壌処理

(写真)バリア工法は床下に処理することでシロアリの侵入を防止する。
ベイト剤を点検しているところ

(写真)ベイト工法は建物外周に毒餌を設置して駆除する。

 
そのため家の中を処理するのがバリア工法、屋外を処理するのがベイト工法、という違いがあります。

効果についてはバリア工法が即効性と残効性の両面に優れていますが、ベイト工法には即効性がなく緩やかに効果が発現します。

バリア工法はほとんどの住宅で施工可能

日本の住宅構造に合わせて工法が作られていますので、バリア工法はほとんどの住宅で施工可能です。

バリア工法ができる家 バリア工法が難しい家
床下 人が入れる(床高30〜40cmほど) 人が入れない
断熱工法 床断熱工法 基礎断熱工法

 
具体的には、床下に人が入れるスペースがあれば施工できます。人が入れる床下というのは、だいたい30〜40cmほどの高さです。一部の高さが20cmほどでも小柄な人であれば通ることができるので施工可能な場合があります。

また、近年採用されることが多くなってきた基礎断熱構造の場合、床下の通気がありませんのでバリア工法での施工はできません。ベイト工法での施工が推奨されます。

バリア工法はこんな人におすすめ

多くの方におすすめできるバリア工法ですが、特におすすめな方は「価格のバランス」「即効性」を重視する方です。

  • 短期間で駆除を済ませたい
  • 実績のある工法で駆除をしたい
  • リーズナブルに駆除を終わらせたい
  • 毎年点検があるのが煩わしい

また、一度施工を行えば5年間の効力があるため、ベイト工法のように「定期的な訪問があるのは面倒かな」と感じる方にとっても相性の良い工法です。

バリア工法に向かない人

対してバリア工法に向かない方は、薬剤を気にしている方や建物自体への処理に抵抗がある方です。

  • 薬剤をできる限り建物の中に処理したくない
  • 室内に入ってほしくない
  • 敷地のシロアリの数を根本的に減らしたい
  • 市販の殺虫剤を使うことができない(化学物質過敏症の方)

上記項目が該当する場合は、バリア工法ではなくベイト工法がおすすめです。

バリア工法の施工工法

施工の流れをまとめました。一般的な広さの住宅では2時間から3時間程度が平均的な所要時間です。

1.養生 床下で作業するための養生(ホコリ対策)を行う。
2.床下の木部処理 被害箇所の薬剤注入と構造部材の薬剤処理。
3.床下の土壌処理 土壌面(地面)や基礎の立ち上がりへの薬剤処理。
4.玄関の薬剤注入 タイル目地に穴を開けて薬剤注入。
5.浴室の薬剤注入 タイル目地に穴を開けて薬剤注入。(在来工法の場合)
6.完了 片付け等をして完了。

施工時は普段通りの生活が可能

バリア工法で処理する場所は床下がメインとなるため、普段通りお過ごしいただけます。外に退避したり、2階などで待機する必要はありません。

ただし、床下の出入口付近にはホコリ対策で囲いを設けますので、立ち入りができなくなります。キッチンや洗面所などに点検口がある場合は、施工前に必要な荷物を移動しておきましょう。

ペットは2階などへ移動を
ペットが床下に誤って侵入することを防ぐために施工中は2階などへ移動し、点検口に近づけないようにしましょう。

バリア工法の費用

バリア工法の価格は1階の床面積で決定します。具体的には、【床面積(㎡)×1㎡あたりの単価】といった感じで業者ごとに単価が決められています。

単価は900円から3000円程度と幅がありますが、業態で大きな違いが見られます。詳細は専用の記事で解説していますが、要点をまとめると以下のとおりです。

駆除業者の紹介だけを行う集客会社 ㎡単価:900円~1,900円程度
完全自社施工型のシロアリ駆除業者 ㎡単価:2,000円~3,000円程度

 
駆除業者の紹介だけを行う会社の場合、多くは個人事業主や小規模事業者のため事業コストが低く、低コストでの運用が可能です。
対して完全自社施工型の会社の場合は、集客から施工、アフターまでを一括で行う中規模〜大規模業者であるため比較すると割高になります。

どちらを選ぶかは皆さまの判断となりますが、施工後の対応や品質、スタッフの質などを考えると、あまりに安い価格帯の業者はおすすめできないのが正直なところです。

多くは最低施工金額が決められている
ほとんどの業者では一定の金額以下の場合は一律価格となる最低施工金額が定められています。具体的には、8万円から9万円程度を最低額としている場合が多く、単価が安いからと言ってそのまま単価が反映されるわけではない点は注意が必要です。

バリア工法は常に進化を続ける工法

日本で最も普及しているバリア工法は、シロアリ駆除・予防などのシロアリ対策工事で1番おすすめできる施工法です。土壌汚染、シックハウスなどの問題と向き合いながら、常に変化しつづけ現在のような安全な施工が確立されています

環境に負担をかけないよう5年で分解されるように変化したり、揮発することのないものが使われるようになったり、数十年の歴史の中で変化してきました。

弊社でもシロアリ1番!スタンダードという名前でバリア工法を採用していますので、バリア工法を検討中の方はぜひサービスページもご確認いただければと思います。

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「クリーンなイメージとしてのシロアリ防除業界のパイオニアであり続ける」。私たちシロアリ1番!は、安心で確実なシロアリ駆除・予防をご提供するため、お客様のことを第一に考えたサービス作りをします。点検・工事・お見積りのことなど、シロアリ対策でお困りの点がありましたらお気軽にご相談ください。

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