【厳選】自分でできるシロアリ対策|長く住める家づくりのコツを有資格者が解説
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シロアリコラム
投稿日 2018.08.28 / 更新日 2023.05.19
シロアリ駆除
【厳選】自分でできるシロアリ対策・被害予防15選

WRITER

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田中 勇史
しろあり防除施工士

大学では昆虫類の研究に携わる。2007年テオリアハウスクリニックに新卒入社。これまで3000件を超える家屋の床下を調査。皇居内の施設や帝釈天といった重要文化財の蟻害調査も実施。大学の海外調査にも協力。
「シロアリ対策はどうすればいいですか?」
「自分でできるシロアリ対策を調べています」
シロアリから建物を守るためのシロアリ対策は、住宅の性能や寿命を維持する上でとても大切です。
しかし、多くの住宅は何も対策をされないまま放置され、シロアリの被害を知らぬ間に受けているのが現状です。シロアリ被害を予防するには、放置された状態を作らず、建物の日々の変化に目を向けることが近道なのです。
そこでこの記事では、私たちが日々の生活でできるシロアリ対策からプロが行うシロアリ対策まで詳しく解説します。
目次
シロアリ対策は日々のお手入れから始まる
シロアリ対策といえば薬剤を散布することと思われがちです。もちろん薬剤処理も大切ですが、実は、日々の自宅のお手入れこそが根本的なシロアリ対策となります。
シロアリは生態的に物が動かされない場所や普段私たちが見ない場所を好みます。つまり、私たちが日々のお手入れをマメにやっていればシロアリがそこに寄り付きにくくなります。
日々のお手入れこそがシロアリ対策で真っ先に行うべきことなのですが、このような根本的な対策をプロは教えてくれません。そこで、ここからは私たちが普段の生活で実行できるシロアリ対策をご説明します。
建物の外回りのシロアリ対策
外壁沿いに物を置かない(風を通す)
先程お話ししたとおり、シロアリは物が動かされず放置された場所を好みます。それは、シロアリが湿気と暗闇に閉ざされた場所で生きる昆虫だからです。ですから、シロアリが好む環境を作らないことがシロアリ対策に欠かせません。
外壁に物を設置しない

外壁に沿って設置された物置や荷物は、外壁と荷物の間が光の届かない環境となります。
さらに、湿気もこもりやすくシロアリが好む環境が再現されるのです。壁沿いには物を置かず、空気が流れる状態にして乾燥を心がけましょう。
基礎通気孔を塞がない

建物のコンクリート基礎に通気孔が設置されている場合、通気孔を塞がないことが大切です。
物置や鉢などの荷物で通気孔を塞いでしまうと床下の換気が滞るため、床下環境がシロアリの好む高湿度な状態となってしまう可能性があります。
植栽などで基礎を覆わない

雑草などで基礎が覆われてしまうと、基礎を確認することができなくなります。さらに、裏側は高湿度となりシロアリにとって好都合な環境が整ってしまいがちです。
物を設置しないのと同じで、植栽で基礎を隠すことがないように注意しましょう。また、植物が基礎に繁茂しているとシロアリだけでなくアリなど他の昆虫が住み着く原因にもなってしまいます。
デッキの下に鉢などを入れない

ウッドデッキや濡れ縁の下には、物置として活用できそうな空間がありますよね。そこに植木鉢などを置かれているケースをよく見かけます。
しかし、植木鉢などを置いてしまうと風通しがさらに悪くなり、シロアリが住みやすくなるリスクが上がってしまいます。

濡れ縁の下にシロアリの蟻道が構築されて住宅に侵入されていた事例です。
濡れ縁の下に荷物を入れることでシロアリの好む環境が出来上がると、このように蟻道を基礎に伸ばして侵入されてしまいます。荷物があると蟻道の存在にも気づけませんので、基礎周りには荷物などを置かず清潔にすることが大切です。
シロアリのエサ「木材」を置かない
シロアリは木を食べる害虫として恐れられていますが、それは私たちが木材を普段の生活でふんだんに使用しているからなのです。ということは、シロアリのエサとなる木材をお庭から無くすことがシロアリ対策の第一歩となります。
木の杭

生け垣を固定する木杭は年数が経つうちにシロアリ被害を受けることがあります。あらかじめ防蟻・防腐処理がされていることが多いのですが、そのまま放置しているとその効果は無くなってシロアリのエサとなってしまいます。
生け垣に設置された木杭は5年も経てば根が張って樹木も自立しているので撤去して問題ありません。
切り株、枯れた樹木

お庭の木を伐採することになった場合、大きな樹木だと切り株が残ってしまいがちです。
しかし、シロアリは死んだ樹木をエサとするため、切り株などはシロアリの巣を巨大化させる要因となります。(※大きな切り株は個人で撤去するのが困難なので、専門業者に依頼しましょう)
放置された木材

庭に放置してシロアリのエサにされやすいのが放置された廃材や古い家具です。
これらのものは日陰となるような場所で保管されがちなことも相まって知らない間にシロアリの被害を受けやすい傾向にあります。
ついつい「捨てるのが面倒だから」と放置してしまいがちですが、使わなくなった時点でなるべくすぐに処分するようにしましょう。
土間コンクリートの木枠

外構や駐車場の土間コンクリートに型枠が残されている場合があります。
型枠は木材で組まれておりシロアリが付くことが多いので、新築の時点で撤去するのが望ましいですね。
防蟻処理されていない枕木

枕木は土に埋められるため、シロアリが非常に付きやすい木材です。枕木にはシロアリや腐れを防ぐ処理がされていますが、その効果がどれくらい続くのかは製品により異なります。
また、処理された枕木でも切ってしまうと切断面は無防備な状態となります。防腐防蟻処理が切断面全てに処理された枕木以外は撤去しましょう。
ダンボールや合板

木材以外にも、木が原料のダンボールや合板などはシロアリの餌となります。建物の外にある倉庫にダンボールをしまっている光景をよく目にしますが、シロアリに食害を受ける事例が非常に多いので極力ダンボールは使用しないようにしましょう。
室内のシロアリ対策
玄関・浴室は乾燥させる
建物で最も被害を受けやすい場所は玄関と在来浴室です。この2箇所は構造的に似ていて、地面と接した床張り構造となっています。床下空間が無いためシロアリが直接上がってきやすく、被害が非常に多いです。
また、玄関と浴室は水分が溜まりやすい点もシロアリが侵入しやすい原因となります。乾燥を心がけるだけでシロアリ対策として有効です。
浴室は常に換気する

24時間換気はONのままにしておきます。24時間換気がない場合は浴室使用後、換気扇や窓の開閉で換気します。一つの指標として、カビが生えない状態を維持できれば乾燥がしっかりされています。
また、換気扇のフィルターは定期的に掃除して、換気効率を下げないようにすることも大切です。
玄関は水を流さない

玄関は水が入っても問題ない構造になっていますが、不用意に水を流さないことが大切です。
特に、掃除をするときに水を流す場合は要注意です。月に1回程度ならそこまで気にする必要はありませんが、流したときは余分な水分を拭き取り乾燥を徹底しましょう。
1階和室の荷物の置き方
1階の和室は荷物の置き方に注意しましょう。特に押入れは床下からの湿気がこもりやすく、シロアリ被害が非常に多い場所です。
また、畳もシロアリに狙われやすく、畳を隠してしまうと被害に気づけず大きな被害に発展しやすくなります。
押入れの下段には普段使うものを入れる

下段には重い荷物が入り、そのまま何年も放置されがちです。シロアリは床下から上がってくるため、1階押入れの下段が特にシロアリ被害を受けやすくなります。
普段出し入れしないものを置いてしまうと、シロアリが侵入してもなかなか気づけません。下段には掃除機など普段から使用するものを入れておきましょう。
押入れの襖は開けて換気する

1階の押入れは湿気がこもりやすく、シロアリが好む環境になりがちです。可能なら襖を開けて換気を心がけましょう。
普段は閉めておく必要がある場合でも、定期的に開放して風を通すことが大切です。
畳が隠れるものを設置しない

シロアリは木材だけでなく、畳も食害することがあります。そのため、畳の上にタンスなどの家具を置いてしまうと、畳との接地面が密閉されてシロアリが好む環境になってしまいます。
カーペットやフローリングタイルなど畳がすべて隠れるものは、被害が見えなくなってしまいますので特に注意しましょう。
より確実なシロアリ対策をするには?
日頃から自宅に目を向けてお手入れをすれば、シロアリが侵入しにくい環境は維持されます。シロアリ被害に遭う確率も、手入れをしない住宅と比較して格段に下がるはずです。
しかし、それで完璧かというとそうではありません。自分で行うシロアリ対策と専門の業者に行ってもらうシロアリ対策は両輪の関係にあります。自分でできることは自分でやり、自分でできないことを業者に行ってもらうことが大切です。別の言い方をすれば「業者に任せておけば自分では何もしなくても大丈夫」というわけでもありません。
例えばシロアリ業者に薬剤散布をしてもらったとしても、建物の外周で通気口を塞いでいたり荷物を基礎にくっつけて外蟻道が作られやすくなっていてはやはりシロアリ被害に遭うリスクが大きくなります。役割を分担してそれぞれができることを行うのがシロアリ対策では大切だと言えます。
一般的な木造戸建て住宅であれば新築時の防蟻対策が建築基準法により定められていますので、新築からある程度の期間は何もしなくてもお家は守られます。
第49条 木造の外壁のうち、鉄網モルタル塗その他軸組が腐りやすい構造である部分の下地には、防水紙その他これに類するものを使用しなければならない。
2 構造耐力上主要な部分である柱、筋かい及び土台のうち、地面から1メートル以内の部分には、有効な防腐措置を講ずるとともに、必要に応じて、しろありその他の虫による害を防ぐための措置を講じなければならない
引用:建築基準法施行令
しかし、築5年を経過すると新築時の防蟻保証が切れることになります。これは、新築時に施工した薬剤の効力が切れたことを意味しますので、シロアリ予防を保証が切れた段階で改めて実施することがとても大切なのです。
業者が行うシロアリ対策とは?
自宅のシロアリ対策を考えると、どのように施工するかを考える必要があります。もっとも一般的なシロアリ対策はバリア工法(液剤施工)です。そしてもう一つベイト工法という施工方法があります。
バリア工法
文字通り、シロアリがお家に侵入できないようにバリアをしてしまう施工方法です。液状のシロアリ薬剤を動力噴霧機で散布処理します。シロアリは暗くて空気の流れがない場所を好んで建物に侵入します。一般的な住宅では、床下がそれにあたるため、床下を中心にした施工をおこないます。また、床下空間以外にも玄関や浴室などの床下空間が無い場所にも薬剤を注入する場合があり、その建物に応じた対応が求められる専門性の高いシロアリ予防方法です。他の施工方法に比べ安価な点がメリットです。
ベイト工法
ベイト工法は、ベイト剤(シロアリにとっての毒エサ)を用いてシロアリを駆除する方法です。ベイト剤にはシロアリが好む成分に脱皮阻害剤が含まれており、それをシロアリが食べることにより効果を発揮します。脱皮をしない哺乳類などに対しては非常に安全性の高い工法です。効果は比較的ゆっくりのためベイト剤を食べていない個体にも伝播し、巣ごと駆除することができる画期的な工法です。ベイト剤の設置は、建物の外周に数メートル間隔で地中に設置します。
まとめ
ベイト工法、バリア工法、2つの施工方法が基本ですが、それぞれのお家の特性に合った施工方法を選ぶことが何より大切です。たとえば、家の敷地が狭いお家ではベイト工法は向いていないですし、床高が低いお家はバリア工法ができません。シロアリ予防(シロアリ対策)をする前に必ず事前の床下調査をおこなうのは、それぞれのお家の特性に合った施工方法を把握するためでもあります。
この記事を読んでみて、「家周りの木がボロボロになっている」であったり、「床下は新築のまま放ったらかしのままだ」という点が該当したのであれば、それはシロアリ対策のちょうどいいタイミングかも知れません。家周りをシロアリが住み着きにくい対策を実践するのと同時に、無防備な床下空間のシロアリ予防対策を考えてみては如何でしょうか。

全員がしろあり防除施工士
社員の顔が見える安心力
強引な販売営業ナシ
全ての業務を自社社員で運営
「クリーンなイメージとしてのシロアリ防除業界のパイオニアであり続ける」。私たちシロアリ1番!は、安心で確実なシロアリ駆除・予防をご提供するため、お客様のことを第一に考えたサービス作りをします。点検・工事・お見積りのことなど、シロアリ対策でお困りの点がありましたらお気軽にご相談ください。
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