シロアリ予防の頻度は?必要ない?何年おきにするべき?【5年ごとが正解】|シロアリ1番!
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シロアリコラム
投稿日 2018.08.20 / 更新日 2023.12.15
シロアリ駆除
シロアリ予防の頻度は?必要ない?何年おきにするべき?【5年ごとが正解】

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木村 健人
しろあり防除施工士

シロアリ・木材腐朽菌に対する木材保存・薬剤性能評価について在学中に研究。2009年新卒でテオリアハウスクリニックに入社。数千件のシロアリ調査・駆除に従事。現在はWEBマーケティングを担当。
「シロアリ予防の保証が切れたけど再施工って必要ですか?」
「シロアリの予防・対策は繰り返し行う必要がありますか?」
「何年おきに行うのがいいのかな?」
これまでたくさんのお客様とお話をする中で、シロアリ予防対策についてこのようなご質問をいただく機会が何度となくありました。中には「そもそも私の家ってシロアリの心配をする必要がありますか?」と、シロアリを予防するという考え方そのものに対して疑問を持たれている方もいらっしゃいます。
そこでこの記事では、シロアリ予防の頻度や何年おきに実施すべきか、シロアリ予防の必要性について解説します。
目次
「シロアリ予防は何年おき?」の答えは5年
シロアリ予防の薬剤は近年飛躍的に進化しました。それは安全面、臭い、効果など様々です。そして今も新しい薬剤が開発され続けています。また、環境問題が時代の流れとともにクローズアップされ、シロアリ防除薬剤も環境汚染として問題となってきた過去があります。
そのため、現代のシロアリ防除薬剤は環境に負荷がかからないように、自然に分解される薬剤に移り変わっています。その薬剤効力が5年なのです。実際に公益社団法人日本しろあり対策協会の防除施工標準仕様書では5年を目途に再処理(シロアリ予防)すると規定されています。
協会では5年を超えて長期間有効な薬剤は環境によくないと考えています。そのため認定する薬剤の有効期間は5年になっています。
引用:公益社団法人日本しろあり対策協会
ですから、シロアリ予防・対策工事は5年ごとに実施するのが正しい答えとなります。
日本しろあり対策協会で認定された薬剤は5年間の効力が基本です。ホウ酸は防蟻効果や住人に対してメリットはありますが、分解されないデメリットが非常に大きいため、日本しろあり対策協会では現在も認可されていないのです。分解されないということは、土壌への流失、地下水汚染など環境的な問題点が生じます。事実として、第一種指定化学物質や第二種特定有害物質に指定されています。
シロアリ予防の薬剤は5年後に分解が始まるわけではない
「でも、そんな急に薬剤がなくなる訳ではないだろうし、もう少し様子を見ておこうかな」
このように、多くの方がシロアリ予防をしてから5年間は薬剤の有効成分が分解されずにずっと残っていると誤解されています。しかし、シロアリ防除薬剤は散布直後から分解が始まります。その分解が徐々に進行していき、5年が経過するころには大半の成分が消失しているのです。

上図からも分かる通り、5年が経過したら間違いなくシロアリ予防・対策工事のタイミングと言えます。
薬剤が分解される要因は”揮発”ではない
シロアリ予防の薬剤が分解される要因は以下のとおりです。
- 光
- 熱
- 水分
- 強アルカリ、強酸
- 金属イオン
- バクテリア(シュードモナス)
「薬剤の成分が揮発するから効果がなくなる」という説明は間違いで、生物的要因や化学的要因によって自然に分解されるのです。現在のシロアリ防除薬剤は、飽和蒸気圧(揮発のしやすさ)が非常に低く、ほぼ空気中に揮発することはありません。
5年経ったらすぐにシロアリが入ってくるとは思えないけど
薬剤効果が無くなり保証が切れる5年目。「薬剤の効果が切れると言っても、すぐにシロアリが家に入ってくることは無いでしょ」と大半の方が思われるのではないでしょうか。しかし、弊社が日本長期住宅メンテナンス有限責任事業組合と協力した調査では、次のような結果が出ています。

出典:国土交通省補助事業 シロアリ被害実態調査報告書2013
築5年以上の住宅から徐々に被害を受ける可能性が高くなり、築25年以上になると5棟に1棟がシロアリ被害を受けているという事が明らかになっています。お隣さん(左右後)、お向かい、我が家、この内のどれか1棟はシロアリ被害を受けていることになるのです。
全ての家が被害に遭う訳ではありませんが、シロアリという生き物を相手に我が家がいつ被害に遭うか予測を立てることは困難です。新築から5年以上が経過した状態で何もしないでいると、シロアリの被害を受けるリスクがどんどん上がっていくということは理解しておきましょう。
鉄骨やRC造だからシロアリは大丈夫かな
私の経験上の話になりますが、シロアリ被害は木造、鉄骨造、RC造など家の造りに関係なく発生します。しかも、鉄骨だから被害に遭いにくい、ということもありません。事実として、鉄骨系住宅メーカーの多くは新築時にシロアリ予防工事を実施しています。
構造 | 内装材 | |
---|---|---|
木造 | 食害を受ける | 食害を受ける |
鉄骨造 | 食害を受けない | 食害を受ける |
RC造 | 食害を受けない | 食害を受ける |
上表のとおり、鉄骨であっても木材が使われています。戸建てはもちろんのこと、マンションであっても内装材などに木材は使用されています。ビルでも室内からシロアリの羽アリが発生したという事例を見てきました。
鉄骨やRC造のシロアリ被害は、建物の構造耐力に影響を及ぼすことはありません。しかし、シロアリ被害は内装リフォームの出費や見た目の問題、歪みや軋みなど生活に支障をきたす厄介な問題です。
床下がコンクリートだから大丈夫かな
近年、多くの建築において採用されているコンクリートの床下。その工法には土の上にコンクリートを流し込む土間コンクリート、コンクリートの箱を作るイメージのベタ基礎の2つのタイプに分かれます。いずれも床下が全てコンクリートであることに変わりはなく、どちらもシロアリ被害とは無縁のように感じます。ですが、実際はどちらにもシロアリ被害が発生しています。
コンクリートの床下には、シロアリが侵入できる小さな隙間があります。コンクリートを流し込んだ直後であればそのような隙間はありませんが、5年、10年と経過するとコンクリートが縮み、シロアリが侵入できる0.6mm〜2mmほどの隙間ができるのです。
ベイト工法は1年ごとのシロアリ予防対策
シロアリ予防・対策工事で一般的な工法は液状の薬剤を使用するバリア工法です。ここまで解説した5年効力の薬剤はこのバリア工法に向けた内容となっています。シロアリ予防には実はもう一つベイト工法と呼ばれる工法があり、こちらは5年ごとが当てはまりません。
ベイト工法は薬剤を含有した餌(ベイト剤)を建物の外周に等間隔で設置し、シロアリに食べさせて巣ごと駆除する工法です。使用するベイト剤(IGR剤)は日本しろあり対策協会により認可されているため、5年間の効力があります。しかし、設置したベイト剤をモニタリングするため、おおよそ半年~1年ごとにチェックする必要があります。そのためベイト工法は1年毎に点検・更新をするのが一般的です。
まとめ
当記事ではシロアリを予防する必要性や何年おきに必要なのかについて解説しました。薬剤は乾いてしまえば目に見えなくなりますし、シロアリが侵入する床下も普段は見えない場所です。そんな場所で何が起きるのかはあまりイメージできないと思います。しかし、だからこそ5年ごとのシロアリ予防は建物を長持ちさせる上でとても重要なのです。
最後に、今回の記事を箇条書きでまとめておきます。
- シロアリ予防工事は5年ごとに実施する
- 薬剤効力が5年間なのは環境に配慮しているため
- 半永久的効果のものは環境的に不安
- 鉄骨造やRC造でも予防工事は必要
- コンクリートの床下でも油断はできない

全員がしろあり防除施工士
社員の顔が見える安心力
強引な販売営業ナシ
全ての業務を自社社員で運営
「クリーンなイメージとしてのシロアリ防除業界のパイオニアであり続ける」。私たちシロアリ1番!は、安心で確実なシロアリ駆除・予防をご提供するため、お客様のことを第一に考えたサービス作りをします。点検・工事・お見積りのことなど、シロアリ対策でお困りの点がありましたらお気軽にご相談ください。
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