シロアリの被害に遭う確率はどれくらい?|シロアリ1番!

COLUMN

シロアリコラム

投稿日 2021.03.31 / 更新日 2023.12.07

シロアリ駆除

シロアリの被害に遭う確率はどれくらい?

WRITER

田中勇史

WRITER

田中 勇史

(公社)日本しろあり対策協会 防除技術委員

田中勇史

大学では昆虫類の研究に携わる。2007年テオリアハウスクリニックに新卒入社。これまで3000件を超える家屋の床下を調査。皇居内の施設や帝釈天といった重要文化財の蟻害調査も実施。大学の海外調査にも協力。しろあり防除施工士。白蟻専科研究室長。
YouTube:シロアリ駆除Channel

「シロアリ被害に遭う確率はどれくらいですか?」
「一軒家を買ったのですがシロアリの被害が心配です」

皆さまからこのような声をたくさんいただきます。また、「シロアリ被害が怖いことはわかっているけど、実際のところ被害にあう確率は低いんじゃないかな」という声も多くいただきます。確かにシロアリ被害自体はテレビや噂話でしか聞いたことが無い人は多いのではないでしょうか。

そこでこの記事では、シロアリ被害にあう確率について国土交通省の補助事業のデータをもとに解説します。

シロアリ1番!が選ばれる理由

築年数ごとのシロアリ被害発生率

シロアリ被害の確率については、2013年に国土交通省の補助事業として行われたシロアリ被害実態調査報告書で詳細に調査・考察されています。

築25年を超えた物件の被害率は約2割

当報告書ではシロアリの保証が切れて再施工しなかった物件の築年数ごとのシロアリ被害率を算出しています。築5年から築29年までの物件の被害率をまとめたグラフが以下のとおりです。

シロアリの被害率(築年数別)
  • 築10年未満の建物では被害発生率は5%
  • 築15年以上で10%を超える
  • 築20年~30年では約20%

このように、保証が切れた物件はその後に再処理をしなければ、指数関数的に被害が増大することが分かります。言い換えると、築20年を超える物件では5棟に1棟がシロアリの被害に遭っていることになります。

また、築浅の被害率については5~9年で被害率5%と低く感じますが、築10年未満の物件の20棟に1棟がシロアリ被害を受けていると考えると他人事とは言えなくなってきます。

構造別の被害率

木造在来工法のシロアリ被害率
ツーバイフォーのシロアリ被害率

構造別のシロアリ被害についてはこちらです。木造、ツーバイフォーとも5年、15年、20年と大きく被害率が上昇している事がわかります。鉄骨造などのデータはありませんが、基本的に構造の違いでシロアリの被害率が変わるということは無さそうです。

基礎構造別の被害率

布基礎(土壌)の被害率
ベタ基礎の被害率

被害実態調査では、基礎構造別の被害発生率も記載されています。データを見ると、「布基礎+土壌」で築10年以降被害が多発することが分かっています。これは、シロアリの保証が切れたタイミングとも重なるため、シロアリ予防の実施の有無で被害率が変わるということが言えます。

また、コンクリートで地盤が覆われたベタ基礎では、年数ごとの被害率の上昇は緩やかです。これは、物理的な障害により築年数が浅い状態では被害の発生が抑制されていると考えられます。しかしながら、ベタ基礎であっても時間経過で被害率は布基礎同様の確率に上昇することが分かっています。

つまり、布基礎であってもベタ基礎であってもシロアリ被害を受ける確率はほとんど変わらないということが言えます。

動画で解説中

下記YouTubeでもシロアリ被害の確率について詳細を解説しています。

シロアリ被害に遭う確率を高くする要因とは?

シロアリ被害と密接な関係にある要因は水分です。なぜなら、日本に住むヤマトシロアリイエシロアリといったシロアリは土の中で生活していて、水分が生活に大きく関係しているからです。

しかし、多湿を好むと言っても水分量100%、水溜まりができるような過度な水分は好まず、70~80%ほどの環境が最適と言われます。この関係は、これから紹介する実験を行えば確かめる事ができます。

参考:シロアリ被害と含水率の関係

  1. 容器に厚さ5㎝ほどの土を敷く
  2. 水分計を用いて下層70%〜上層20%に調整する
  3. 餌木を差し込んでシロアリの食害を確認する

 
結果
食害は必ず最下層部から始まり、中層部まで上がってきた段階で食害が止まってしまいます。実際にシロアリが活動している層も下層部が中心で、乾燥が進んだ上層部に出てくることは稀です。基本的には乾燥した環境は好まないのです。

では、なぜ乾燥してる住宅の木材は食べられてしまうのでしょうか。それは時間をかけているからです。

シロアリは「蟻道(ぎどう)」と呼ばれる土のトンネルを作り移動を行います。蟻道は自分たちが移動するだけでなく、湿気を運ぶのにも役立ちます。「食べ心地のいい」木を徐々に増やしていくのです。

先述のシロアリ被害実態調査報告書のデータからも、築年数が経過すると被害も多くなることが分かっています。シロアリたちは私たち人間が気づかないほどジワジワと住宅を侵食しているのです。

ちなみに、シロアリが極端な湿度を嫌う理由は、1つが「カビ」を嫌うからです。シロアリはカビにとても弱く、注意を払いながら暮らしています。湿度が高くなりすぎると、その分カビの危険も高まるので、近寄らないようにしているのです。
もう1つは「木材の栄養の低下」です。シロアリは木を分解して栄養に変えて生きていますが、湿度が高い木は栄養価が落ちてしまいがちです。「腐朽菌」というキノコの仲間が木を分解してしまうからです。「程々に心地いい湿度」がシロアリの被害に遭う確率を高くすることを覚えておきましょう

シロアリ被害に遭う確率を下げるには

シロアリ被害から家を守るには、建物にシロアリを入れないための対策が必須です。具体的には、シロアリ予防工事を定期的に実施することと、日頃のお手入れでシロアリを活発にさせない努力をすることです。

シロアリ予防工事を定期的に行う

シロアリ被害実態調査報告書のデータからも、シロアリ予防の再処理(保証の再延長)を怠ることで被害率が上がることが分かりました。つまり、自分の家をシロアリから守るには定期的なシロアリ予防が欠かせません

シロアリ予防工事

現在の住宅は新築の防蟻対策により5年間シロアリから守られます。築5年が経過するとシロアリの保証が失効し、シロアリから無防備な状態となってしまいます。

「まだ築5年、10年なら大丈夫」と考えて何も対策をせずに放置してしまう方が一定数いらっしゃいますが、一度シロアリ被害を受けてしまうと自動車の事故車(履修歴)と同じように、傷跡が一生残ってしまいます。万が一の被害を未然に防ぐためにもシロアリ予防の再処理を実施しておくことが大切です。

シロアリ被害は地震による倒壊とも密接な関わりがあります
シロアリに家をやられたら建物は壊れるの?

シロアリ1番!が選ばれる理由

日頃のお手入れでシロアリ対策を意識する

シロアリ予防工事を定期的に実施することがシロアリ被害率を下げるための大前提ですが、皆さまご自身も普段の生活で意識してほしいことがあります。

シロアリが寄り付きにくい家にするためのポイント解説
【厳選】自分でできるシロアリ対策・被害予防15選

詳細は上記記事に書きましたのでぜひ御覧ください。ここでは内容を抜粋して解説します。

湿度管理

これまでお話ししてきたように、湿度管理はシロアリの被害に遭う確率を抑える上でとても大切です。特に、玄関、浴室・脱衣所、トイレ、キッチンなどは湿度が留まらないように工夫をする必要があります。

例えば玄関掃除の水撒きはシロアリ被害の視点からはおすすめできません。水を多量に使用すると水分は蒸発する前にタイル目地や割れ目などから地中へと吸い込まれます。タイルの下は湿気が溜まりやすい密閉空間のためシロアリには絶好の侵入口になってしまうのです。

玄関の掃除は軽い水ぶき程度に留め、どうしても水を使いたい時はなるべく早く拭き取って素早く乾燥させましょう。

浴室・脱衣所も水分が壁体内や床下に流出しやすい場所ですので、慢性的に湿った状態にしないことが大切です。どれくらいの状態を維持するべきかと言うと、浴室がカビない程度です。珪藻土マットを使うのもおすすめです。

珪藻土は水分の吸収・乾燥に非常に優れた土で、濡れた足でも瞬時に水分を吸い取り乾燥させてくれます。こういったアイテムを併用してシロアリが入ってきにくい環境を作っていくことを心がけましょう。

風通しを良くする

建物の風通しで最も重要なのは「床下の通気」です。そして床下の通気を考える上でのポイントは外基礎通気口や基礎パッキンの存在です。しかし、点検にお伺いすると通気口の前に廃材や荷物が置かれている事が少なくありません。

基礎通気孔

シロアリ被害を防ぐために、こういった廃材や荷物はすぐに移動させましょう。通気口は新鮮な空気を送るために作られた「風の通り道」です。もし通気口が正しく機能しないでいると、床下の空気は循環されずシロアリの好きなジメジメした空気が出来上がってしまいます。

換気孔が塞がれた状態

シロアリの存在に注意が向いていないと、どうしても無意識に通気口の目の前に荷物を置いてしまいがちです。自分の家の通気口は塞がれていないか、しっかり確認することが大切です。

まとめ

この記事ではシロアリ被害に遭う確率について、国土交通省補助事業のシロアリ被害実態調査をもとに解説しました。築年数が浅くても20件に1件が、築25年を超えると5件に1件がシロアリ被害に遭っている事実をお分かりいただけたと思います。

シロアリ被害自体は決して珍しいものではなく、身近にあるものです。

ここまで被害率が高くなってしまった理由は、多くの住宅で新築時のシロアリ予防の効果が切れたまま放置してしまった結果でもあります。私たちシロアリ業者としても、これ以上日本の住宅のシロアリ被害率が上がらないように皆さまの建物をシロアリ予防の観点から1件でも多くお守りできれば幸いです。

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