シロアリの ”蟻道” とは?建物にはこうやって侵入する!|シロアリ1番!

COLUMN

シロアリコラム

投稿日 2018.05.06 / 更新日 2023.12.15

シロアリ駆除

シロアリの ”蟻道” とは?建物にはこうやって侵入する!

WRITER

木村健人

WRITER

木村 健人

しろあり防除施工士

木村健人

シロアリ・木材腐朽菌に対する木材保存・薬剤性能評価について在学中に研究。2009年新卒でテオリアハウスクリニックに入社。数千件のシロアリ調査・駆除に従事。現在はWEBマーケティングを担当。

シロアリがどのように家の中を移動し、家の木材を食い荒らしていくかをご存知でしょうか。

「お庭のアリのように行列を作って入ってくるのかな?」「それとも飛んで入ってくるのかな?」と思う方がほとんどだと思いますが、シロアリはそのどちらでもありません。シロアリは自分たち専用の立派な道路「蟻道」を作ってお家に侵入します

そんなシロアリの立派な道路「蟻道」とは一体どんなものなのでしょうか。この記事では蟻道について、種類や見分け方、トレンドまで詳しく解説します。

シロアリ1番!が選ばれる理由

シロアリはなぜ蟻道(ぎどう)をつくるのか

シロアリは空気の流れや光を嫌うため、地表を歩いて移動することはまずありません。アリとは言っても普通の黒アリとは全く違う生き物で、シロアリは地中の暗闇の中を移動するのです。住宅に到達したシロアリは暗闇の床下から建物に使われている木材を目指して地中から地表に上がってきます。

そして、地表や柱の表面を移動するときに蟻道(ぎどう)と呼ばれるトンネルの道路を作ります。シロアリにとって地上は人間でいう宇宙や深海のような場所です。そんな場所に生身のまま出てしまったら、乾燥によって死んでしまいますし、アリや他の生物によって捕食されてしまいます。

蟻道

つまりシロアリにとって蟻道は外敵から身を守り生命活動を維持するためのライフラインなのです。

▼床下の蟻道を撮影した動画です

蟻道から木材内部に入り込む

シロアリは蟻道を作ることで誰にも見つからずにエサである木材に到達します。つまり、地中にトンネルを掘って忍び込む映画の銀行強盗のように住まいを食害できる状態になっているということです。

蟻道

一旦、蟻道が構築された住宅はシロアリに目を付けられたお家とも言えてしまいます。蟻道が構築されていく度に住まいは食害が進行していくと考えたらちょっと怖いですよね。

木村
木村
最初は床下から被害が始まることが多いのでなかなか気付きにくいのですが、羽アリやシロアリなどを目にするようになった頃には、すでに繁殖が進んでしまっていて被害も大きくなっていると考えられます。

蟻道は木材の表面を這うように進む

地中から蟻道を伸ばして住宅の木材に到達したシロアリは、継ぎ目や木口面から内部に入り込みます。入り込んだあとも度々木材表面に蟻土を作り、表面を這うように蟻道を伸ばして進むことがあります。

木材の蟻道

上の写真は床を支える大引き材に蟻道が走っている物件です。このように、地中から上方向に伸びた蟻道は、木材に沿って木材の内部を食べ進むのと同時に、表面を縦横無尽に進行します。

蟻道はシロアリ被害の手がかりとなる

我々人間にとってみると、蟻道はシロアリを見つけるための大きな手がかりとなります。シロアリの姿が見えなくても、蟻道さえ探せば良いわけです。

木材表面の蟻道

逆に言うと、シロアリ被害は蟻道以外ではなかなか見るけることが難しく、シロアリが蟻道を作ってくれるお陰で被害を簡単に見つけることができます。シロアリの専門業者が床下に入って調査をする理由は、まさに蟻道の有無を確認しているからなのです。

他の昆虫の通り道との見分け方

シロアリ被害を見つけるには蟻道を探すのが近道です。しかし、シロアリ以外にも普通のアリ(黒アリ)が蟻道を作ることがあるため混同されます。特にトビイロケアリなどのケアリ類はお家に侵入するときに蟻道を構築することで有名です。ぱっと見た限りではシロアリの蟻道とほとんど変わりありませんが、見分ける簡単なポイントがあります。

ケアリとシロアリの蟻道の見分け方

シロアリの蟻道 ・表面が固まっている
・手でなぞっても簡単に崩れない
・土が固まったような形状をしている
ケアリの蟻道 ・表面が柔らかい
・手で触るとふわっとしている
・木くずで作られていることが多い

ケアリの蟻道

ケアリの仲間は腐った木材内部を巣を作る習性を持つため、木材のカスを使った蟻道を作ります。
写真のように見た目はシロアリのものに似ていますが、柔らかく固まってないため触ることで簡単にシロアリの蟻道と区別することが可能です。

シロアリの蟻道

シロアリの蟻道は土を固めた見た目をしています。手でなぞると硬さを感じますが、ある程度力をいれれば壊すことができます。土がしっかり張り付いているようならシロアリの蟻道で間違いないでしょう。(古く風化した蟻道は脆く柔らかくなっていることがあります)

地蜘蛛の巣を利用した悪質業者の事例

実は、シロアリ業者のなかにはお客様にウソを伝えてシロアリ駆除をおこなう業者が存在します。以前、お客様より伺った事例です。

”外の基礎にシロアリの蟻道があるので、今すぐシロアリ駆除しましょう!”

ジグモの巣

そう言って見せられたものが、この様な写真でした。一見するとシロアリの蟻道に見えなくもないですが、シロアリの専門家が見れば見ただけで蟻道ではないことが分かります。お客様は私が調査に来るまでそれがシロアリの蟻道だと信じ込んでおられました。

では、この構造物はなんだったのでしょうか? 答えはジグモ(地蜘蛛)というクモの巣です。

ジグモは筒状のクモの巣を作り、その筒の根元に潜むクモです。筒は時間とともに土が付着して、茶色く細長い形になります。「このクモの巣をシロアリの蟻道と説明するなんて」と思ってしまいますが、それくらい好き放題やっているシロアリ業者がいることを事実として捉えなくてはなりません。

シロアリの蟻道 ・表面が固まっている
・手でなぞっても簡単に崩れない
・土が固まったような形状をしている
ジグモの巣 ・柔らかく、手で壊すと筒がスポっと抜ける
・内部はクモの糸で白い
・地上10cmくらいの大きさ

蟻道が作られる場所は?

住宅内において蟻道は主に床下に構築されます。基礎の立ち上がりや束柱が最も一般的な蟻道でしょう。しかし、それ以外にも様々な場所でシロアリの蟻道が見つかります。この章では、蟻道がどこに作られてどのような形状をしているのかを詳しく解説します。

基礎立ち上がりからの蟻道

基礎立ち上がりの蟻道

最も一般的で見つけやすい蟻道のひとつですね。この事例は地中から上がってきたシロアリが、基礎上にある土台にかけて蟻道を構築していたものです。建物の真ん中付近の部屋に被害があるときは、真下の床下にこの様な蟻道があることが多く見られます。

土間コンクリートの蟻道
土間コンクリートの蟻道

また、地面が土間コンクリートであっても蟻道は普通に見られます。侵入する隙間が無いように思えますが、コンクリートは経年で収縮する性質があるため立上り基礎と土間コンクリートには必ず隙間が生じます。シロアリは0.6mmの隙間があれば通過できると言われているので、そこからシロアリが住宅内に侵入するのです。

ベタ基礎の蟻道

ベタ基礎の蟻道
ベタ基礎のシロアリ侵入経路

近年の住宅のほとんどはベタ基礎で作られますが、ベタ基礎でも蟻道が構築されることがあります。土間コンクリートとは違い、基礎際の水抜き穴や基礎固定金具(セパレーター)の周辺から侵入されることが多々あります。

上記以外にもベタ基礎の場合、配管・配線の貫通部や玄関の周囲がシロアリが侵入しやすい箇所です。ベタ基礎でもシロアリが侵入するポイントが沢山あることは知っておくべきかなと思います。

束柱からの蟻道

束石からの蟻道

床を支える束柱は、束石という土台の上に作られます。シロアリの蟻道は束石を経由して束柱に作られることが多いです。築年数の経過した建物の場合、束柱に木材が使われることがほとんどで、地面から近い場所にある木材のため真っ先に食害を受けてしまうポイントでもあります。

鋼製束の蟻道

最近の住宅は床の束柱に鋼鉄製のものを使いますが、この鋼製束もシロアリの通り道として活用されます。
非常にピンポイントな侵入経路ですが、意外とこの様な事例は目にします。束を鋼製束に変えたからと言ってシロアリ被害が無くなる訳ではありません。

配管からの蟻道

配管断熱材からの蟻道

給水管には凍結防止で断熱材を被覆した配管が使われます。断熱材と配管の間はシロアリの蟻道が非常に多い場所です
シロアリからすると配管断熱材の中は地中と同じような環境のため、地表よりも低リスクで蟻道を構築することができます。また、被害の規模も大きいものになりがちです。

配管の蟻道

排水管に作られた蟻道です。配管は表面がつるつるしているため本来シロアリは好まない場所ですが、シロアリの活性が高いと写真のように蟻道を構築して床上に被害を与えます。
蟻道の中では比較的珍しいものだと思います。

基礎断熱の蟻道

基礎断熱の蟻道
基礎断熱の侵入経路

高気密・高断熱住宅で活用される基礎断熱は、被害が進行するまで全く気づけ無いため恐ろしい蟻道です。シロアリに狙われると、被害が大規模になることでも知られており、大きな問題として取り上げられることも多いです。
近年、防蟻成分入りの断熱材を使用するなどの対策が取られる様になってきましたが、依然として被害が多いのが実情です。

化粧モルタル・タイル張りの蟻道

化粧モルタルの蟻道
化粧モルタルの侵入経路

基礎の表面を綺麗に仕上げるために化粧モルタルやタイルを施工して仕上げます。そのモルタルが経年劣化でヒビが入ったり収縮することで、基礎との間にすき間ができます。そのすき間にシロアリは蟻道をつくります。同様に、基礎にタイルを張付けている場合にも基礎とタイルの間に蟻道が作られます。床下に蟻道がないのに被害があるときはこのケースが多いです。

外に構築されるシロアリの蟻道

外蟻道

住宅に作られる蟻道は床下が一般的ですが、光が差し込まなくてジメジメした場所であれば外にも蟻道が作られます。こちらの事例は建物の入隅に蟻道を作られていますが、人目に付かない場所ほど狙われる傾向があります。

イエシロアリの外蟻道

これまで紹介してきた蟻道はどれもヤマトシロアリのものでしたが、こちらはイエシロアリというシロアリの外蟻道です。
関東の沿岸沿い以南の地域では、イエシロアリという甚大なシロアリ被害を引き起こす種類のシロアリが生息します。イエシロアリの外蟻道は太く、ヤマトシロアリのものとは比べ物にならないほど立派な蟻道となります。

地表から空中に伸びる蟻道

空中蟻道

シロアリはレンガ作りの煙突のように蟻土を重ね合せて蟻道を上に伸ばしていくこともできます。木材やコンクリートなどの壁を使わずに、蟻土だけで上に伸びていく蟻道を空中蟻道と呼んでいます。

シロアリは目が見えない昆虫なので、ぶつかった所に沿って蟻道を作り始めます。高さのない廃材などに当たってしまっても蟻道を作り始めるため、その結果として空中蟻道が完成します。

実際に構築された空中蟻道は、10cmくらいで折れてしまうことがほとんどです。ですから、空中蟻道の周りには折れた空中蟻道の残骸が山のように積み重なります。写真のように上から下まで繋がった空中蟻道は非常に稀です。

蟻道を見つけたら業者に相談を

蟻道はシロアリ被害を見つけるための大きな手がかりとなります。もしも、自宅で蟻道のようなものを見つけたら、まずはそれがシロアリの蟻道なのかを確認して、専門業者にしっかり診てもらいましょう。

以下に蟻道を見つけたときの対処方法を掲載します。

1.蟻道を確認する シロアリの蟻道なのか、他の生き物が作ったものなのかを確認します。
2.蟻道に刺激を与えない 蟻道を壊すなどの刺激を与えると、シロアリが別の場所に移動する危険性があります。そのままの状態にしておきましょう。
3.業者に相談する シロアリの被害を確認して、確実に駆除するために業者を手配しましょう。流れは、事前調査・見積もり→駆除となります。

 
いまのお家にとっては厄介者でしかないシロアリですが、人間すら居なかった大昔からシロアリは多くの敵から身を守るために蟻道を作って活動してきました。シロアリ業者としても、そういう背景をしっかり把握したうえでシロアリ駆除に努めていきたいですね。

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