洗面所・浴室から羽アリが出たら?原因・対処・再発防止ガイド|シロアリ1番!

COLUMN

シロアリコラム

投稿日 2020.11.28 / 更新日 2025.04.22

シロアリ駆除羽アリ

テーマ:

洗面所・浴室から羽アリが出たら?原因・対処・再発防止ガイド

WRITER

田中勇史

WRITER

田中 勇史

(公社)日本しろあり対策協会 防除技術委員

田中勇史

大学では昆虫類の研究に携わる。2007年テオリアハウスクリニックに新卒入社。これまで3000件を超える家屋の床下を調査。皇居内の施設や帝釈天といった重要文化財の蟻害調査も実施。大学の海外調査にも協力。しろあり防除施工士。白蟻専科研究室長。
YouTube:シロアリ駆除Channel

「洗面所と浴室から大量の羽アリが出てきました」
「気づいたら洗面所の床に羽がびっしり落ちている」

そんな光景に驚き、不安になっていませんか。洗面所や浴室は湿気がこもりやすく、羽アリが発生しやすい場所のひとつです。とはいえ、正しい知識と対処法さえ押さえておけば慌てる必要はありません。

  • 洗面所・浴室の羽アリがシロアリなのかを見分けるポイント
  • シロアリだった場合に今すぐできる応急処置
  • 被害を最小限に抑えるための対応策

本記事ではこれらの内容を中心に、専門家の視点で分かりやすく解説します。「今まさに羽アリで困っている」という方も、「もしもの備えを知っておきたい」という方も、ぜひ最後までご覧ください。

シロアリ1番!が選ばれる理由

洗面所・浴室で羽アリを見つけたら最初にやること

洗面所で羽アリを見つけたら、まずは落ち着いて被害を広げない行動を取りましょう。殺虫スプレーをかける前に、スマホで発生場所と羽アリの姿を撮影し、床に落ちた羽や死骸を袋に保管しておくと、後から正確な種類判定や専門業者への相談がスムーズになります。

ステップ1:まずは深呼吸して落ち着く

羽アリを見て驚くのは当然ですが、慌てる必要はありません。理由は大きく2つあります。

理由①:シロアリとは限らない
洗面所(浴室)で見かけた羽アリが、建物に害を与えるシロアリとは限りません。クロアリやその他の昆虫の可能性もあります。
理由②:仮にシロアリでも、すぐに木材を食べるわけではない
シロアリの羽アリの目的は新たなペア(女王アリと王アリ)を作り、新しい巣をつくることです。ペアになったあと、まずは地面の中に小さな巣を作ります。巣が拡大し、働きアリが餌(木材)を探し始めて初めて建物被害が発生します。

したがって「洗面所(浴室)から羽アリ=今この瞬間に木材被害」という状態ではありません。また、実際には建物の裏側に被害が生じていたとしても、その被害が数日で大きく進行するわけでもありません

(写真)浴室から羽アリが発生する瞬間。羽アリだけでなく兵蟻や職蟻も外にでてきている。

(写真)洗面所と浴室から羽アリが発生した住宅。

 
現状を把握し、情報を整理することが第一歩です。落ち着いて状況を観察し、次のステップに備えましょう。

ステップ2:写真を撮影し、羽や死がいをとっておく

羽アリを見つけたら、スマートフォンで複数の角度から写真を撮っておくことが大切です。写真は、後で専門業者が「それがシロアリかどうか」「どの種類の羽アリか」を判断するための重要な情報になります。

撮影時のポイント

ポイント①:羽の形がはっきり見えるように撮影
シロアリは羽が4枚すべて同じ大きさ、クロアリは前羽が大きいなど特徴があります。
ポイント②:スマホのマクロ機能や虫眼鏡を活用してアップで撮る
小さい個体は通常のピントではブレるため、少し明るい場所で撮るのがおすすめです。

うまく撮影できなければ保管しておく

もし、羽アリの撮影が上手くいかない場合には専門業者に見てもらうまで一部を手元に保管しておくことをおすすめします。

また、羽アリの活動が終わった後、洗面所の床や棚の中に「抜け落ちた羽だけ」が大量に落ちているケースがあります。この羽もまた、種類判別の手がかりになりますので、捨てずに保管しておきましょう。

手順①:羽や死骸をティッシュなどでそっと集める
無理に指でつまむと破れたり飛び散ったりするので、柔らかい紙やハケで集めるのがおすすめです。
手順②:チャック付きビニール袋や小さな密閉容器に入れる
袋に「発見日」と「発生場所(例:洗面台下の収納内)」をメモして貼っておくと、後の説明がスムーズです。

たとえ専門業者であっても手がかりが何もないと、正確な状況の把握が難しい事もあります。しかし、これが出たという「サンプル」があるだけでとてもスムーズに調査が行えるようになります。

※テープ等で張り付けてしまうと虫自体が潰れてしまったり、バラバラになってしまい正確な判断ができなくなる恐れがあるため注意しましょう。

洗面所や浴室に羽アリが発生する2つの原因

「洗面所(浴室)で羽アリを見かけた」という方は、住宅の“ある特徴”が影響している可能性があります。羽アリ、特にシロアリが好んで集まる条件がそろっているのです。ここでは、羽アリが水まわりに現れやすい主な2つの原因をご紹介します。

原因①:湿気が多く、シロアリが集まりやすい環境になっている

洗面所や浴室は日常的に水を使う場所です。入浴後の蒸気、洗面時の水はね、結露などにより、室内や壁内、床下に湿気がたまりやすいのが特徴です。

とくに床下や壁内部にまで湿気が入り込むと、木材の含水率が高い状態が続き、シロアリが好む環境ができあがってしまいます。実際に現場調査をしてみると、床下の木材がしっとり湿っていたり、クロスにカビが出ていたりするケースも珍しくありません。

田中
田中
対策をしないまま放置してしまうと、シロアリが侵入・定着しやすくなり、羽アリの発生につながります。

原因②:タイルの目地や床のすき間ができやすい

もうひとつの大きな原因が、床や壁のすき間です。特に浴室では、タイルの目地や継ぎ目部分が劣化することで隙間が生じ、そこから羽アリが発生する事例が多くあります。

(写真)洗面所と浴室の継ぎ目に開いた隙間。こういう場所から羽アリは発生する。

(写真)床の隙間から発生することも。

 
こうしたすき間は、見た目ではほとんど分からない場合もあり、床下とつながっている場合には、シロアリの巣から直接室内に羽アリが出てくるルートとなってしまいます。

【応急処置】洗面所から羽アリが出たときの対処法

虫が出たら、まずはスプレー」。多くの方がそう思うのではないでしょうか。ゴキブリや蚊などであれば、殺虫スプレーで対処するのが一般的です。

しかし、羽アリ(特にシロアリ)の場合は要注意です。間違った方法で駆除しようとすると、かえって被害を広げてしまう恐れがあるのです。

なぜ羽アリにスプレーは使うべきではない?

殺虫スプレーは、一見するとすぐに効果が出る便利な対処法のように思えます。ですが、シロアリの羽アリに殺虫スプレーを使うのはNGです。

  • 羽アリは巣の中から飛び出してきた一部の個体に過ぎず、巣にはまだ多くの仲間が残っている
  • スプレーの薬剤が巣に届かないどころか、シロアリが危険を察知して別の場所へ逃げてしまう
  • 被害が広がり、のちの調査や駆除が難しくなる可能性がある
田中
田中
市販で売られている殺虫スプレーの使用は避け、次に説明する正しい応急処置を行うことが大切です。

羽アリが発生したときの3ステップ

ステップ①:掃除機やビニール袋で羽アリを回収する
見つけた羽アリは、殺虫剤を使わずに掃除機で吸い取るか、ビニール袋などで回収しましょう。
田中
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吸い取った後は紙パックやダストボックスをすぐ密封し、ゴミ箱へ。回収した羽アリはなるべく潰さずに残しておくと、後で種類の判定に役立ちます。ビニール袋で捕まえる場合は、袋の口をしっかり結んで保管してください。
ステップ②:発生箇所を一時的にふさぐ
羽アリがどこから出てきたのか分かる場合は、その周辺を養生テープやマスキングテープで仮封鎖しましょう。巾木(はばき)と床のすき間、洗面台下の排水管まわりなどに隙間がないか確認します。詰め物をしてからテープを貼ると、羽アリの再侵入・拡散を防ぎやすくなります。
田中
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この封鎖はあくまで一時的なものです。根本的な解決には専門業者の点検が必要です。
ステップ③:発生状況を記録し、専門業者に相談する
羽アリの発生は、「シロアリがいるかもしれない」という重要なサインです。
放置せず、なるべく早く専門業者に相談することが再発防止への第一歩です。

相談前に準備しておくとよい情報
  • 羽アリの写真(羽の形・胴体のくびれ・触角の形などが分かるもの)
  • 羽や死骸を密封保管した袋
  • 発生した日時や場所(例:洗面台下の収納内など)
これらの情報があれば、調査や見積もりがより正確に、スムーズに進みます。

シロアリとクロアリの見分け方

洗面所や浴室で羽アリを見つけたとき、「これってシロアリ?それとも別の虫?」と戸惑う方は少なくありません。実は、羽のある虫=シロアリとは限らず、複数の可能性があります。

羽アリの正体はシロアリでないことも

羽アリに見えても、実際には以下のような別の虫だったというケースもあります。

よく見かける「羽つき虫」たち
  • コバエの仲間
  • チョウバエ
  • ユスリカ

これらは主に洗面台の排水口や配管の内部など、汚れが溜まりやすい場所から発生します。形は「アリ」にはあまり似ていないので、よく観察すれば区別はしやすいでしょう。

チョウバエ

(写真)洗面所や浴室でよく見られるコバエの仲間チョウバエ。排水部の汚れで繁殖する。

(写真)観葉植物などの土から発生するキノコバエの仲間。

 
こうした虫の場合は、水回り汚れが主な原因ですので、掃除と換気の徹底が根本的な解決につながります。

「アリのような見た目で羽がある虫」は2種類に絞られる

アリのようなフォルムをしていて羽があるとなる虫で考えられるのは、シロアリクロアリのどちらかということになります。

(写真)クロアリの羽アリ。

(写真)シロアリの羽アリ。

 
多くのクロアリの仲間は光に集まる習性を持っており、夜に部屋の外から明かりに集まってくる事がありますが、床下から洗面所の配管を経由して室内に出てくるケースもあります。

とはいえ、クロアリはシロアリのように木材を食べることがないため建物に害を及ぼすことはありません。一方で、シロアリが室内で発生した場合はその近辺(床下の地中または庭など)に巣があることが考えられ、建物の被害も疑わなければなりません。

もしシロアリかクロアリかを見分けられるのであれば問題ありませんが、万が一シロアリだった場合は自分で対策を取ることはとても難しいです。判断に迷うようであれば専門業者に相談をして的確な対策を取ることをおすすめします。

シロアリだった場合は本格的な対策が必要になる

洗面所や浴室で発生した羽アリがシロアリだった場合は、住宅に生息するシロアリに対して薬剤を使った防除処理を行うのが基本です。主に以下のような処理が行われます。

主な施工内容
  • 床下への薬剤処理:木材や土壌に薬剤を散布し、防除処理を行う
  • 床上からの穿孔注入処理:壁やドア枠などに穴を開けて薬剤を注入する

(写真)床下への薬剤散布。木材部分と地面部分に処理をする。

(写真)浴室のタイル目地から壁内に薬剤を注入する様子。
部分施工は再発リスクが高くおすすめできない

「羽アリが出たのは洗面所だけだから、そこだけ処理すれば大丈夫」と思われがちですが、これは大きな落とし穴です。シロアリは床下全体を自由に移動できるため、部分的な処理では薬剤の届いていない場所に逃げて再発する可能性が高くなります。そのため、洗面所だけでなく建物全体の床下に対して処理を行うのが一般的な方針です。

まとめ|今日やるべきこと早見表

羽アリを洗面所や浴室で見つけたら、「いつか対処しよう」では手遅れになるかもしれません。
以下のステップに沿って、今日できることを一つずつ実行することが、被害を防ぐ第一歩です。

【当日】応急対応チェックリスト(今すぐやること)
  1. 羽アリの写真をスマホで複数角度から撮影する
  2. 床に落ちた羽や死骸を袋に入れて保管する
  3. 羽アリが出てきた場所をメモしておく
  4. 殺虫スプレーは使わず、掃除機またはビニール袋で回収する
  5. 出口と思われるすき間を一時的にテープでふさぐ
【落ち着いたら】業者の手配と今後の対応
  1. 慌てて業者に連絡をせず、まずは信頼できる業者を探す
  2. 業者に連絡し、無料調査を予約する
  3. 現地調査(1時間程)で見積もりを受けとる
  4. 駆除を依頼し、駆除日程を調整する
  5. シロアリ防除工事の実施

また、業者を手配する際は、慌てずに“信頼できる業者かどうか”を見極めることが大切です。

羽アリを見つけて不安になると、つい「今日中に点検予約を済ませたい」と焦ってしまいがちですが、シロアリの被害は数日で急激に悪化するようなものではありません。

そのため、「納得できる業者が見つかるまで、しっかり調べてから依頼する」という判断でも、まったく問題ありません。

後悔のない駆除を行うためにも、焦らず冷静に、信頼できる業者を選ぶことを意識しましょう。

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