シロアリ駆除はホウ酸でも行える?メリット・デメリットを解説|シロアリ1番!

COLUMN

シロアリコラム

投稿日 2020.05.07

シロアリ駆除

シロアリ駆除はホウ酸でも行える?メリット・デメリットを解説

WRITER

上野山典之

WRITER

上野山 典之

蟻害・腐朽検査士

上野山典之

2015年新卒でテオリアハウスクリニックに入社。シロアリ防除工事に従事し、1000件を超える住宅メンテナンスに携わる。毒物劇物取扱責任者や第二種電気工事士など多数の資格を所有。

ホウ酸のイメージ

「シロアリ駆除をホウ酸で行おうと考えています!ホウ酸はシロアリ駆除剤の中でも安全性が高いと聞いていますがホウ酸について自分でも調べておきたいです。」

 

このような疑問にお答えします。ホウ酸によるシロアリ駆除には様々なメリットがあると言われていますが、それと同様にデメリットについての指摘もあります。

このページを読んで頂くと

  • ホウ酸をシロアリ駆除に用いるメリット
  • ホウ酸でシロアリ駆除を行うデメリット
  • 効果や安全性を考える際には業者選びが重要な理由

 

これらについて知ることができます。

ホウ酸がシロアリ駆除に用いられる理由

現在シロアリ駆除業者の中にはホウ酸を採用している業者もありますがその理由はホウ酸が

  • 防腐・防蟻効果が長期間持続する
  • 人体に安全である
  • 外来種のシロアリに対しても効果を見込める

 

であると考えられているからです。

シロアリ予防効果が長期間持続する

ホウ酸は鉱物由来の「無機物」です。工場で作られた薬剤は有機物ですので5年程度で効力が消失します。しかしホウ酸は経年で分解がされないので半永久的に効力が持続します。

また、ホウ酸には防蟻効果だけでなく防腐効果も含まれています。日本ではJIS規格の問題もありあまり普及していませんが、海外では家を組み立てる前の木材にあらかじめ薬剤を注入しておく「加圧注入材」の成分としてホウ酸が利用されています。

人体に安全である

ホウ酸はゴキブリの駆除にも用いられていますが、これは虫が体内でホウ酸を分解できない性質を利用しています。

しかし肝臓を臓器として持つ人体や犬や猫などの哺乳類はホウ酸を体内で分解できるため、安全な薬剤であると言われています。そのためホウ酸はシロアリ駆除やゴキブリ用のホウ酸団子以外にも繊維系の断熱材に防虫成分として混ぜ込んで使われることや、目薬の防腐成分に使われることもあります。(もちろん通常の薬剤と同じく誤った取り扱いをしてしまうと人体に害を及ぼしてしまうので細心の注意を払って使用する必要があります。)

外来種のシロアリ予防に対しても効果を見込める

通常の薬剤よりも効果が長期間持続する性質を利用して外来種のシロアリの予防に利用されることがあります。

外来種のシロアリは「カンザイシロアリ」といい、土の下では一切生活を行わないタイプのシロアリです。外から飛んできて木材に定着し、じわじわと木材を食べていく厄介なシロアリですが、新築時にあらゆる木材の表面にホウ酸でできた薬剤を散布しておくことでカンザイシロアリの被害を予防しようという工法が用いられる事があります。

ホウ酸でシロアリ駆除を行う際のリスク

一見便利な薬剤に見えるホウ酸ですが、シロアリ駆除に用いるには以下の理由からリスクもあるのではないかと言われています。

  • 水に弱い
  • 効果が発揮されるまでに時間がかかる
  • 床下や小屋裏のメンテナンスが難しくなる可能性がある

 

ちなみにホウ酸は現在「公益社団法人日本しろあり対策協会」の認定薬剤には選定されていません。

 

その理由は次のページにて紹介されていますが、やはり上記のデメリットも大きな要因の1つになっているのではないかと思われます。

水に弱い

ホウ酸は水にとても溶けやすいので水気の多い場所での使用には不向きです。シロアリの主な侵入経路である床下は湿気が溜まりやすい場所です。

  • 木材のみに散布を行う「防腐目的」での使用
  • 床下がコンクリートで湿気に強いつくりの建物での使用

 

などであればある程度の効果が見込めるとは思いますが、

  • 床下が土壌の物件
  • 土壌の上に防湿シートが敷かれている物件

 

などでの使用は不向きということもあり、現在ホウ酸を用いたシロアリ駆除は、直接薬剤を散布するのではなく家の外周に毒エサとして設置してそれを巣に持ち帰ってもらう「ベイト工法」の成分として利用される事が多いです。

効果が発揮されるまでに時間がかかる

ホウ酸がシロアリに対して効果を発揮するにはある程度の時間を要します。

ホウ酸は木材を食べたシロアリがそれを巣に持ち帰り、餌として仲間に分け与えたりお互いの身体を舐めあう性質(グルーミング)を利用して巣のシロアリ全体に効果を及ぼすことで効果を発揮します。そのため駆除を行う場合も効果が出始めるまでに2~3ヶ月ほどの時間を要する事を覚えておきましょう。

床下や小屋裏のメンテナンスが難しくなる可能性がある

ホウ酸による施工を行なったことで床下や小屋裏の定期的なチェックやメンテナンスが難しくなる場合があるのではないかと思われます。

少し次元は違うかも知れませんがシロアリ1番!にご依頼をいただいたとある現場では、床下全面に大量の粒状の炭が敷き詰められており、少し移動をするだけで大量の粉塵が舞ってマスクも真っ黒になってしまう状況だったので作業はとても困難を極めました。

ホウ酸処理についても粉状のホウ酸を直接散布する工法が用いられる事があるようですが、大量のホウ酸がそのままの形で残り続けることを意味します。建物状況調査などを依頼した際に「これでは進入しての調査はできない」と調査を断られてしまうリスクが考えられます。

ホウ酸に限らずシロアリ駆除で大切なのは「施工品質」

ホウ酸をシロアリ駆除に使おうと考える方の多くは「安全性」の面を評価しているような印象を受けます。しかし「ホウ酸を使えば安全である」という考えにはどのような裏付けがあるのでしょうか。もし

「天然成分だから安全だ」

と考えているのであればそれは誤りです。もちろん使用する成分で選ぶことも大切ですが、より重要なのは

「依頼したシロアリ駆除業者はしっかりとした施工品質で工事をおこなってくれるのかどうか

に注意することです。いくら立派で元々の性能がいい薬剤であっても施工品質が良くなければ本来の効果を発揮することはできません。

新築時に行う木材処理を例にあげてみましょう。ホウ酸は先程もご紹介した通り水に弱い物質です。しかし家は完成までに非常に長期の日数がかかるため、その合間には天候が優れない日も当然あるでしょう。

通常であれば雨水が建築中の建物にかからないようにしっかりと防水シートなどをかけておく必要がありますが、もしホウ酸の性質をよく理解していない業者が建設に関わっていた場合はそれを怠ってしまうかもしてません。

そうすればいくら薬剤を散布しても家が完成する頃には薬剤の効果が大幅に薄れてしまっている・・・という状況も考えられます。もちろんそういった問題は家を建てる工務店やハウスメーカーに依存する部分もありますが、私たちシロアリ駆除業者の中でも似たような問題は起こりえます。

例えばホウ酸には植物が取り込むと枯れてしまう原因になったり、ガラスに付着すると耐久性を下げてしまう、などのリスクも含んでいます。取り扱う上での危険性を理解していない業者に任せてしまうと思わぬ事故につながるかも知れません。

「安全に配慮して工事を行うしっかりとした業者かどうか」を見極めるようにしましょう。

まとめ

今回はシロアリ駆除にホウ酸を使用する場合のメリット・デメリットや業者選びの重要性についてご紹介してきました。

ホウ酸のメリットとデメリットを理解した上で

  • その性質を十分に理解したシロアリ駆除業者かどうか
  • 施工品質がしっかりとした業者かどうか

の見極めが大切です。しかし

「しっかりとした業者かどうかはどうやって判断すればいいの?」

 

と思う方もおられるかも知れません。

1つの有効な方法は「比較を行うこと」です。ほとんどのシロアリ業者は点検を無料でおこなっているため、その際の調査の様子や説明の明確さを見てある程度施工品質にも見当をつけることができます。

もちろん私たちシロアリ1番!も床下の調査・お見積りは無料で行なっているため、「色々な業者を見比べて参考にしたい」と思われた方は是非ご相談ください!