シロアリの幼虫を知ろう!どんなカタチ、大きさをしているの?|シロアリ1番!

COLUMN

シロアリコラム

投稿日 2018.11.27 / 更新日 2021.03.07

シロアリ駆除

シロアリの幼虫を知ろう!どんなカタチ、大きさをしているの?

シロアリの幼虫

WRITER

木村健人

WRITER

木村 健人

しろあり防除施工士

木村健人

シロアリ・木材腐朽菌に対する木材保存・薬剤性能評価について在学中に研究。2009年新卒でテオリアハウスクリニックに入社。数千件のシロアリ調査・駆除に従事。現在はWEBマーケティングを担当。

「シロアリみたいな幼虫がいる!」このような問合せが実はとっても多いんです。

ですが「シロアリに幼虫なんているの?」であったり、「幼虫なんてみたことない!」ということを質問されることも多くあります。もしかしたら、”シロアリの幼虫ってあまり知られていない…?”と、ふと思いましたので、こちらにシロアリの幼虫について詳しくご説明していきます!

シロアリに幼虫っているの?

答えてしまうと、シロアリに幼虫はいます!シロアリは昆虫ですので成長の過程で必ず幼虫になります。ですからあなたが見ている”シロアリの幼虫の様な虫”もしかしたらシロアリの幼虫かもしれません。


これがシロアリの幼虫

シロアリの幼虫と成虫の違いは「大きさ」

シロアリの幼虫と成虫の違いは簡単に言うと”大きさ”です。

みなさんがシロアリの幼虫だと思っているのは、幼虫かもしれませんし職蟻や兵蟻かもしれません。そもそも5mm程度の非常に小さい昆虫のため、シロアリの成虫を幼虫だと勘違いされている場合がとっても多いのです。

上の写真には、通常の働蟻はもちろん幼虫も写っています。その大きさの違いをお分かりいただけましたか?

これはシロアリが「不完全変態」という仕組みで成長していくからです。

もう少し詳しくお話ししていきましょう。

完全変態の昆虫

昆虫は成長する過程でカタチを変えていきます。わかりやすいのはカブトムシでしょう。カブトムシは卵が孵化すると、芋虫のような幼虫になりますよね。その後成長して大きくなり、やがて茶色い蛹に変化します。そして月日が経過すると角の生えた成虫として羽化します。これが昆虫の生活環です。
しかし、これは”完全変態”と呼ばれる昆虫のタイプです。完全変態は幼虫から成虫に成長する際に全く違うカタチに姿を変えるため「蛹」になる過程があります。カブトムシの他に、蝶や蚊、ハエ、ハチやアリがこのタイプです。

シロアリは「不完全変態」

実は、シロアリは”完全変態”ではありません。昆虫には完全変態とは別に、”不完全変態”というタイプがあるのです。不完全変態とは名前のとおりカタチを変えずに成長する昆虫です。この種類は卵から孵化すると、卵→幼虫→職蟻・兵蟻などという段階を経て成長します。このとき、不完全という名前のとおり孵化したての幼虫もシロアリの職蟻と同じカタチをしているのです。
不完全変態の昆虫は、シロアリの他に「トンボ」や「セミ」、「バッタ」や「ゴキブリ」などがあります。

シロアリ自体が幼虫っぽい体つき

そして、「シロアリの幼虫がいた!」と思われてしまう最大の原因は、シロアリそのものが「白くて、小さく、寸胴な体つき」という幼虫のような特徴(見た目)を持っているからでしょう。普段シロアリを見かけることなんて無いと思いますので、そこにいる「白い小さな虫=シロアリの幼虫」と思われてしまうのかもしれません。

シロアリの幼虫だと思っていたものは成虫かも

上記のようなことから、”シロアリの幼虫”についての問合せが多いのかなと考えています。実際にはシロアリの初齢幼虫は非常に小さく肉眼でギリギリ追えるくらい小さなサイズです。それに、シロアリの幼虫が見られるのは巣の中心付近が多いので、頻繁に見けけることはありません。ですから、シロアリの幼虫かもって思っていたものはシロアリの職蟻や兵蟻である可能性のほうが高いのです。

大きくなっても白くて小さな体をしている白蟻ですが、それで立派な成虫です。成虫、幼虫の違いは大きさにありますが、シロアリっぽい虫を家の中で見つけたのであれば、大きさに関係なく専門の業者に一度調査してもらい、何らかの対策を講じるようにしましょう。

※この記事では巣内の90%以上を占める職蟻や兵蟻を成虫としておりますが、正式には有翅虫(羽アリ)を成虫と呼びます。

シロアリの幼虫と間違われやすい虫もいる
「これってシロアリの幼虫なんじゃ・・・?」と思われる虫の中には、本当にシロアリとは関係がない虫であることもあります。良く間違われるのは「チャタテムシ」です。

辞書や古い本を開いたときに小さな白い虫を見たことがあるかもしれません。1mmほどと小さいですが、カタチがシロアリの幼虫に似ており混同されやすい昆虫です。本の周辺以外にも、窓際やキッチンなど湿気(カビ)などが比較的多い場所の周辺に散在します。湿気やカビに集まる特徴があります。

シロアリの幼虫とチャタテムシの見分け方は、「表面を歩いているか」「集団で発生しているか」などである程度見分けられます。

表面を歩いているのは「チャタテムシ」です。シロアリは暗闇を好みますので表面をテクテク歩くことはありません。また、チャタテムシは単独で行動することがありますが、シロアリは必ず大規模な集団で活動します。これらの行動パターンでおおよそ検討がつきますので、シロアリなのかチャタテムシなのかを判断してみてください。

さいごに

今回はシロアリの幼虫についてご紹介してきました。

もし、「シロアリについてもっと詳しく知りたい!」と思っていただけたようでしたら、こちらのページでも詳しく紹介していますのでぜひご覧ください!

▼シロアリについてのより詳しい解説はこちら!
www.shiroari-ichiban.com/contents/column/shiroari/

 
シロアリの幼虫と成虫では大きさが異なるだけで容姿にはほぼ変わりがありません。万が一の被害のことを考えれば、「シロアリかな?」と思った時は何にせよ早めに対策を検討することをおすすめします。

シロアリ1番!では、床下の無料調査を実施しています。もし「被害が心配・・・」と思われた際はどうぞお気軽にご相談ください。