10月の羽アリは?この時期の羽アリを徹底考察!|シロアリ1番!
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シロアリコラム
投稿日 2018.10.10 / 更新日 2020.02.26
シロアリ駆除
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10月の羽アリは?この時期の羽アリを徹底考察!

WRITER

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木村 健人
しろあり防除施工士

シロアリ・木材腐朽菌に対する木材保存・薬剤性能評価について在学中に研究。2009年新卒でテオリアハウスクリニックに入社。数千件のシロアリ調査・駆除に従事。現在はWEBマーケティングを担当。
10月に部屋の中に紛れ込んでくる羽の付いたアリ。
家の中に入り込まれるのも嫌だけど、人間に害は無いの?建物に害はないの?という部分も気になりまよね。ということで、肌寒くなってくる10月シーズンに室内でたびたび出没する羽アリについて徹底考察します。
目次
10月の羽アリは?
10月は一年で最後の羽アリシーズンです。そんな10月に発生する羽アリの代表は「サクラアリ」という淡褐色のアリです。また、10月に発生するアリは建物を食い荒らす「シロアリ」では決してありません!ので、基本的に慌てる必要はありません。さらに、室内に侵入及び発生してしまう羽アリは更に限られます。10月に家屋内に侵入または発生することがある羽アリを下記にまとめました。
名称 | 羽アリ時期 | 大きさ | 特徴 |
---|---|---|---|
サクラアリ | 10月~11月 | 2~5mm (職蟻1~1.5mm) |
淡褐色~褐色。脚と触覚は黄褐色。 |
※稀ですが、キイロシリアゲアリやヒラフシアリ、トフシアリなどの羽アリも10月に室内に侵入することがあります。
最初にご説明したとおり10月はサクラアリの羽アリの問い合わせが多いです。褐色の羽アリであればまず最初にサクラアリを疑います。
サクラアリの羽アリの特徴


サクラアリは、10月~11月の午前中~昼前頃に巣から羽アリを飛ばします。「暖かいこと」「風が強くないこと」などが発生の条件であるため、ある一定の期間に大発生する傾向があります。


基本的に草地や庭、林などの屋外ならどこにでも生息する種類であるため、発生した日には洗濯物などにサクラアリの羽アリが付着して不快に感じられることがあります。
サクラアリのオスの羽アリはメスよりも身体が小さく、網戸のメッシュを通過することがあります。しかし、日中に発生することが多いため室内の明かりに誘引されることは多くありません。また、サクラアリは人や建物に害を与えることはありません。
室内からサクラアリの羽アリが発生している!
サクラアリの羽アリの問合せが多い理由は、室内から羽アリが大量発生するためです。外から侵入されることもありますが、近年サクラアリが住宅に営巣(巣を作ること)するケースが増えています。住宅に営巣されると、自ずと羽アリを発生させる10月~11月に室内の僅かな隙間から羽アリが出没してしまうのです。
どこに巣があるのか
床下の土壌や壁内、屋根裏に営巣することもあります。これらの場合、羽アリだけでなく働き蟻も室内に侵入することがあります。基本的にサクラアリは羽アリ、働きアリともに人体に害はありませんが、駆除するとなると厄介な種類のアリです。

サクラアリの働き蟻(1.5mm)
サクラアリは市販の薬剤では駆除が難しい蟻です。しかし、市販品の中でも一部のアリ用毒エサ剤が比較的効果があるため、まずはご自身で試してみても良いかもしれません。ただし、以下の事項は守って使用していただかないと効果がなくなりますのでご注意ください。
毒餌剤を使用する際の注意点
- スプレー式殺虫剤は使用しない
- 毒餌に集まってきているアリを殺さない
警戒を与えないことが毒餌剤による駆除の基本です。うまくいけば巣ごと駆除することができます。サクラアリが室内に出没する場合、専門業者に依頼することもできますが、このように市販の薬剤でも駆除ができる場合がありますので、まずはご自身で毒餌による対策をお試しいただくことをおすすめします。
室内に入ってきた羽アリはどのように対処すれば良いの?
室内に出没した虫は気持ち悪いですよね。本当は入ってきてほしくないけど、それでも入ってきてしまった場合は、何かしらの対処をしなくてはなりません。
1.ほとんどの羽アリは無害
ティッシュで軽く包んであげて、そっと外に逃がしてあげましょう。とはいえ、噛んだり、刺したりするアリがいるのも事実。種類がわからない限りは素手で掴まないようにしましょう。
2.やむを得ず駆除する場合は
本来は、間違って入り込んでしまった昆虫。ですからむやみに殺してしまうのも考えものなのです。とはいえ家の中にずっと居られていても困りますよね。死んだ羽アリが異物混入…なんてことも考えられますので、そういうときは家庭用の殺虫剤(スプレータイプ)を使って駆除をしましょう。簡単に駆除できるはずです。
3.他にもこんな方法が…
掃除機を使って羽を休めている羽アリを吸い込んでしまいましょう。掃除機の中から出てきそう…と思われますが、風圧で直ぐに死んでしまいます。
羽アリが入り込まない対策をしよう
羽アリが入ってくる理由の大半は、夜の部屋灯りや網戸のメッシュの幅が広すぎることにあります。網戸をしているのになぜ…。と疑問に思われたかも知れませんが、「サクラアリ」や「キイロシリアゲアリ」の雄の羽アリは非常に小型です。網戸のメッシュの広さによっては通過されてしまうのです。
さらに、網戸と窓の間にも窓の開け具合によってすき間が生じます。そこを羽アリは通り道にして入ってくることもあるのです。ということは、
- 夜は室内の灯りが外に漏れないよう遮光カーテンで閉める
- 窓を中途半端に開けない。(完全に開けるか完全に閉めるかにする)
- できれば窓は閉める。
- 網戸をより細かいものに張り替える。
もちろん、ドアを開け閉めしたりと生活をする中で入り込まれることもありますので100%完全にとめる事はできません。しかし、上記のような対策をするだけで羽アリの侵入は大幅に防ぐことができます。
ちなみに毒エサタイプの駆除剤が効くって聞いたけど

クロアリに毒エサタイプの駆除剤(ベイト剤)が効くという話をよくききますが、これは本当なのでしょうか。実は、羽アリには全く効きません。アリの羽アリが出てきたから慌てて毒エサを室内に設置する必要はないのです。効くのは、羽アリ以外のクロアリ(働き蟻)が室内に発生しているとき。なので、羽アリだけであれば、市販のエアゾール殺虫剤で駆除をしてみてください。
最後に
ここまで、10月に室内に発生する羽アリをご紹介してきました。10月の羽アリは基本的に害の無い種類です。ですから慌てることなく落ち着いて対処してみてください。上記アリ類の羽アリであれば、数日~10日で羽アリの侵入は落ち着くはずです。
しかしながら、先程お話したとおり、「浴室のタイル目地のすき間」や「部屋の内装材の継目」など、室内からアリの羽アリが発生する場合は注意が必要です。


サクラアリは自然環境下ではやや湿った土中に営巣するため、建物内に営巣するときは湿気のある床下や壁下に営巣することが多いです。そして、アリが発生している建物はシロアリ被害や木材の腐れが併発していることが多いのも事実。
外から侵入しているだけの場合は問題ありませんが、このように、お部屋のすき間で羽アリが発生するような場合は、一度床下のシロアリ調査を依頼してみると良いかもしれません。もしかしたらシロアリの被害や、木材の腐れ(腐朽)を発見出来るかもしれません。
※シロアリ1番!の無料調査はシロアリが対象です。黒アリ調査のみの場合は有償調査となります。