6月の羽アリは建物に害がある!?この時期の羽アリを徹底考察!|シロアリ1番!

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シロアリコラム

投稿日 2018.06.11 / 更新日 2023.07.18

シロアリ駆除羽アリ

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6月の羽アリは建物に害がある!?この時期の羽アリを徹底考察!

WRITER

田中勇史

WRITER

田中 勇史

(公社)日本しろあり対策協会 防除技術委員

田中勇史

大学では昆虫類の研究に携わる。2007年テオリアハウスクリニックに新卒入社。これまで3000件を超える家屋の床下を調査。皇居内の施設や帝釈天といった重要文化財の蟻害調査も実施。大学の海外調査にも協力。しろあり防除施工士。白蟻専科研究室長。
YouTube:シロアリ駆除Channel

「6月ごろに羽アリが毎年発生して困っています」
「梅雨の時期に家で発生する羽アリは何?」

6月に部屋の中に紛れ込んでくる、羽の付いたアリ。家の中に入り込まれるのも嫌だけど、人間に害は無いの?建物に害はないの?という部分も気になりますよね。そこで当記事では6月の羽アリについて徹底考察します。

6月に発生する羽アリは?

6〜7月の羽アリ対処法

6月に発生する羽アリの代表はイエシロアリというシロアリです。また、一部地域ではアメリカカンザイシロアリという外来シロアリの羽アリも発生します。

日本で最も一般的なヤマトシロアリが発生することもありますが、シーズンは4月~5月が中心なので事例としては稀です。また、6月はシロアリだけでなく、多くの種類のアリ(黒アリ)が羽アリを飛ばすシーズンでもあります。6月に家屋内に発生することがある羽アリを下記にまとめました。

室内で発生する可能性のある種類

名称 特徴
イエシロアリ
【建築物加害種】
イエシロアリの羽アリ
7~15mm
6月~7月
全体的に茶褐色。
関東沿岸以南。
アメリカカンザイシロアリ
【建築物加害種】
アメリカカンザイシロアリの羽アリ
7mm〜15mm
6月〜7月
赤褐色で腹部は褐色。
ケアリの仲間
【住宅営巣種】
トビイロケアリの女王アリ
4mm(オス)〜10mm(メス)
6月下旬〜7月
全体的に褐色〜茶褐色。
クロバネキノコバエ
クロバネキノコバエ
1mm
4月~11月
灯火によく集まる。

屋内で発生する羽アリの中で建物に被害を与えるものはイエシロアリとアメリカカンザイシロアリです。トビイロケアリに代表されるケアリの仲間は壁内など住宅に営巣することがあります。ケアリの仲間が室内で発生している場合、雨漏れなど住宅に水分が供給されている可能性が高いため、シロアリ被害が併発していることが多く見られます
クロバネキノコバエは観葉植物の土の中で繁殖することが多く、羽アリと間違われることの多い昆虫ですが、大きさが1mmと非常に小さいため羽アリと区別することができます。

6月の羽アリの代表はイエシロアリ

6月に発生するイエシロアリは、他のシロアリ同様に木材をエサとしている木材加害害虫です。もし室内で大量に発生したのであれば建物もしくは周辺に営巣していて、建築部材を食害している可能性が非常に高いです

イエシロアリの羽アリの特徴

イエシロアリの羽アリは全身が茶褐色です。シロアリという名称ですが羽アリは茶色なんですね。羽を含めた全長は9㎜~15㎜とばらつきはあるものの、ヤマトシロアリに比べると若干大きめです。

イエシロアリの羽アリ

群飛を行う時間帯は、日本に多く生息するヤマトシロアリが日中に飛ぶのに対して、イエシロアリは夕方~夜にかけて大量に飛行を行います。そのため、走光性(光に集まる習性)を持っていて夜間の街灯周りを無数に飛び交う姿がよく見られます。

羽アリは、羽が脆く発生後比較的すぐに羽を落とし、本体はどこかに逃げ込んで居なくなってしまいます。そのため、羽アリの発生現場には「羽だけが大量に落ちている…」なんてことがよくあります。

しかしこれは逆に考えると、「羽だけ大量に落ちていたのであればシロアリの可能性が高い」ととらえることもできます。

羽の特徴

羽アリの「羽」ですが、特徴をおさえておけばクロアリかどうかの見分けが簡単につけられるようになります。まずポイントとして、無数に走る網の目状の細かな線(翅脈:しみゃく)が他の昆虫の羽に比べて多いのが特徴で、非常に細かい模様をしています

イエシロアリの翅

羽の色も独特で透明感はあるものの完全なクリアではなく半透明をしています。ちなみにですが、羽の色は時間とともに変化しています。発生直後の羽アリの羽は薄色をしていますが、徐々に先ほどご紹介したような茶色みを帯びたような色合いになっていくのです。

イエシロアリの生息地域

イエシロアリは温暖な地域でしか活動できません。そのため西日本の沿岸地域が中心で、東日本や北日本では一般的ではありません。

関東圏では千葉県や神奈川県の沿岸沿い以南に生息し、内陸では基本的に見かけることはありません。

羽アリの発生場所

イエシロアリの羽アリは窓枠の腐朽箇所や浴室などの水回りから出てくることがよくあります。もし、6月〜7月ごろに窓枠や浴室タイルに見られるクラック(ひび割れ)などから羽アリが発生していたら、専門業者に調査を依頼してみましょう。シロアリ被害や水漏れなどによる腐朽箇所が見つかるかもしれません。

多くの場合、浴室等に羽アリが出ていた時は床下側にも進行しており、早めの対策が必要になります。

6月の羽アリ「アメリカカンザイシロアリ」

アメリカカンザイシロアリの羽アリ

ここまで6月に大量発生する羽アリはイエシロアリの羽アリとご説明してきました。しかしもう1種類、6月に発生する可能性のあるシロアリがいます。それはアメリカカンザイシロアリという北アメリカ原産のシロアリです。

数は少ないものの、日本各地に点在

アメリカカンザイシロアリはもともと日本に生息していないシロアリですので生息地は限定的です。しかし分布域は徐々に広がりつつあります。

現在のところ、都道府県別に見ると、山形県、宮城県、福島県、埼玉県、東京都、千葉県、神奈川県、富山県、福井県、三重県、和歌山県、京都府、大阪府、兵庫県、岡山県、広島県、山口県、愛媛県、高知県、福岡県、熊本県、長崎県、宮崎県、鹿児島県、沖縄県各地に局部的に分布しています。

乾材シロアリの分布

アメリカカンザイシロアリが最も羽アリを飛ばすのは6~7月です。ただし、家具などに混入していたコロニーでは、暖房や冷房など建物の環境によって1年中飛び立つことが事例として報告されています。

羽アリの特徴

初めて羽アリを見る人がアメリカカンザイシロアリとイエシロアリを外見で区別するのは意外と難しいです。しかし、羽アリが発生する時間帯で比較すれば簡単に見分けることが可能です。

アメリカカンザイシロアリの羽アリは日中に出現します。夜間に出現するイエシロアリとはここが大きく異なる点です。

つまり、6月ごろの日中に赤茶色の羽アリがベランダや屋外に飛来していたら、アメリカカンザイシロアリである可能性が高いと言えます。

アメリカカンザイシロアリの羽アリ

また、体色は濃い褐色の体に頭から胸にかけて赤い色をしているのが特徴です。こちらのページではアメリカカンザイシロアリについて詳しくご紹介しています。

もし「これってアメリカカンザイシロアリかも?」となった場合は一度ご確認いただき、該当するようでしたら速やかに専門の業者に相談しましょう。

6月の羽アリ「ケアリの仲間」にも注意

6月はシロアリだけでなくアリも羽アリを出現させます。シロアリと違いアリは多くの種類が存在します。その中でも住宅に関連性があるのが夜間に出現するケアリの仲間です

 
ケアリの仲間には、最も一般的なトビイロケアリをはじめ、カワラケアリ、アメイロケアリなどがいます。どの種類も黒アリの羽アリの特徴をしておりひと目での同定が困難ですが、どれも似た生態をしているため種類を見分ける必要はありません。

ケアリとイエシロアリを見分けるポイント

ケアリとイエシロアリは夜間に発生します。この2種類を見分けるポイントは、羽アリのサイズに大小があるかどうかです

ケアリなどアリの仲間は、メスの羽アリオスの羽アリのサイズが異なります。(下写真の○がメスの羽アリ、それ以外はオスの羽アリ)

そのため、小さい羽アリと大きな羽アリが混じっている場合はケアリなどアリの仲間だと判断することができます。イエシロアリなどシロアリはオス、メスの羽アリとも同じ大きさです。

また、ケアリの羽はシロアリとは違って翅脈の間隔が広く数が少ないです。翅脈も一本一本がとても太く、ハッキリしていてメリハリがあります。

また、先ほどもお伝えしましたがシロアリとの大きな違いとして、アリの羽アリは発生現場に羽だけを大量に残すという事はありません。シロアリと違い羽を落とすのに時間がかかるからです。もしこれらの特徴が当てはまるようなら、発生したのはイエシロアリではなくケアリの仲間であると考えられます。

ケアリはシロアリ被害を併発することが多い

実は、ケアリの羽アリがお部屋の中やベランダ、外壁などから発生した場合、注意しなければならないことがあります。それは、シロアリの被害を併発している可能性が高い、ということです。

ケアリは本来、住宅には営巣せず樹木の根元などに営巣します。しかし、雨漏れなどで水分が供給されていれば住宅にも営巣することがあるのです

つまり、ケアリが生息する環境はシロアリも好むジメジメした環境で、「調査をしてみたらシロアリ被害が見つかった」というパターンを私たちも非常に多く経験してきました。

ケアリ自体は住宅を食べる心配も無く、アリの巣コロリをはじめとした市販薬で駆除することができますが、シロアリ被害を併発している可能性を考えると、プロの目でしっかり確認してもらうことが大切です。

6月の羽アリはプロに相談を

この記事では6月に室内に発生する羽アリをご紹介しました。シロアリならイエシロアリやアメリカカンザイシロアリの可能性があります。また、アリの中でもケアリが発生した場合はシロアリ被害を併発している可能性が高いです。

これらの羽アリを放置してしまうと長期的には住宅への影響が考えられますので、まずはしっかり確認することが大切です。羽アリの発生に伴うシロアリ被害調査は各社とも無料で対応しております。まずはお気軽に最寄りのシロアリ防除専門業者に相談してみましょう。

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