6月の羽アリは?この時期の羽アリを徹底考察!|シロアリ1番!
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シロアリコラム
投稿日 2018.06.11 / 更新日 2022.05.19
シロアリ駆除
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6月の羽アリは?この時期の羽アリを徹底考察!

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田中 勇史
しろあり防除施工士

大学では昆虫類の研究に携わる。2007年テオリアハウスクリニックに新卒入社。これまで3000件を超える家屋の床下を調査。皇居内の施設や帝釈天といった重要文化財の蟻害調査も実施。大学の海外調査にも協力。
6月に部屋の中に紛れ込んでくる、羽の付いたアリ。
家の中に入り込まれるのも嫌だけど、人間に害は無いの?建物に害はないの?という部分も気になりますよね。
ということで、このページでは6月の羽アリについて徹底考察します。
目次
6月に発生する羽アリは?
6月に発生する羽アリの代表は「イエシロアリ」というシロアリです。
一応、日本でメジャーな「ヤマトシロアリ」が発生することもあるものの、シーズンは4月~5月なので事例としては稀です。
また、6月はシロアリだけでなく、多くの種類の「アリ」が羽アリを飛ばすシーズンでもあります。
ということで、6月に家屋内に発生することがある羽アリを下記にまとめました。
名称 | 羽アリ時期 | 大きさ | 特徴 |
---|---|---|---|
イエシロアリ | 6月~7月 | 7~10mm(職蟻4~6mm) | 全体的に茶褐色。関東沿岸以南 |
アメイロアリ | 5月~6月 | ~4mm(職蟻2~2.5mm) | 頭部と腹部は黒褐色、胸部は黄褐色。 |
クロオオアリ | 5~6月 | ~17mm(職蟻7~12mm) | 黒色。 |
ムネアカオオアリ | 5~6月 | ~17mm(職蟻7~12mm) | 胸のあたりが赤い。山林のみ。 |
クロヤマアリ | 6~7月 | 約10mm(職蟻4.5~6mm) | 黒くて艷がなく若干灰色。 |
トビイロシワアリ | 6~8月 | 5~7mm(職蟻2.5mm) | 黒褐色。 |
オオハリアリ | 6~8月 | 4.5mm(職蟻4mm) | 黒~赤褐色。住宅に営巣。 |
ヒメアリ | 6~8月 | 3mm(職蟻1.5mm) | 黄色で腹は黒色。住宅に営巣。 |
アメリカカンザイシロアリ | 一年中(主に6月~9月) | 約7mm(職蟻5~8mm) | 赤褐色で腹部は褐色 |
クロバネキノコバエ | 4月~11月 | 1mm | 暖かい室内では1年中。灯火によく集まる。(羽アリではないが間違われやすい) |
6月の羽アリ「イエシロアリ」
6月に発生する「イエシロアリ」も他のシロアリ同様に木材をエサとしている木材加害害虫です。
もしご自宅の室内で大量に発生したのであれば建物もしくは周辺に営巣していて、建築部材を食害している可能性が非常に高いです。
そんなイエシロアリの特徴を詳しくみてみましょう。
羽アリの特徴
イエシロアリの羽アリは全身が茶褐色です。”シロアリ”という名称ですが、羽アリは茶色なんですね。
羽を含めた全長は9㎜~15㎜とばらつきはあるものの、ヤマトシロアリに比べると若干大きめです。
群飛を行う時間帯もヤマトシロアリが日中に飛ぶのに対して、イエシロアリは夕方~夜にかけて大量に飛行を行います。
そのため、走光性(光に集まる習性)を持っていて夜間の街灯周りを無数に飛び交う姿がよく見られます。
羽アリは、羽が脆く発生後比較的すぐに羽を落とし、本体はどこかに逃げ込んで居なくなってしまいます。そのため、羽アリの発生現場には「羽だけが大量に落ちている…」なんてことがよくあります。
しかしこれは逆に考えると、「羽だけ大量に落ちていたのであればシロアリの可能性が高い」ととらえることもできます。
「羽」の特徴
羽アリの「羽」ですが、特徴をおさえておけばクロアリかどうかの見分けが簡単につけられるようになります。
まずポイントとして、無数に走る網の目状の細かな線(翅脈:しみゃく)が他の昆虫の羽に比べて多いのが特徴です。
羽の色も独特で透明感はあるものの完全なクリアではなく、くすんだ色(半透明)をしています。
ちなみにですが、羽の色は時間とともに変化しています。
発生直後の羽アリの羽は薄色をしていますが、徐々に先ほどご紹介したような茶色みを帯びたような色合いになっていくのです。
関東圏での生息地域
イエシロアリは温暖な地域でしか活動できません。
関東圏では千葉県や神奈川県の沿岸沿い以南に生息し、内陸以北では基本的に見かけることはありません。(レアケースとして、内陸部で発見したイエシロアリの被害を発見した時の様子はこちらの記事でまとめています)
羽アリの発生場所
イエシロアリの羽アリは窓枠の腐朽箇所や浴室などの水回りから出てくることがよくあります。
もし、腐朽箇所や浴室タイルに見られるクラック(ひび割れ)などから羽アリが発生しているなどありましたら、一度床下の調査をされることをおすすめ致します。
もしかするとシロアリ被害や水漏れなどによる腐朽箇所が見つかるかもしれません。
多くの場合、浴室等に羽アリが出ていた時は床下側にも進行しており、早めの対策が必要になります。
6月の羽アリ「アリ類」

6月はシロアリだけでなく、アリ類の羽アリも発生します。ポイントとなるのは「羽」の特徴です。
アリ類の羽はシロアリとは違って翅脈の間隔が広く、数も少ないです。翅脈も一本一本がとても太く、ハッキリしていてメリハリがあります。
また、先ほどもお伝えしましたがシロアリとの大きな違いとして、アリの羽アリは発生現場に羽だけを大量に残すという事はありません。シロアリと違い羽を落とすのに時間がかかるからです。
もしこれらの特徴が当てはまるようなら、発生したのはシロアリではなく「アリ」であると考えられます。

ちなみにアリでもシロアリでもないけど、よく間違われる虫が「クロバネキノコバエ」です。体長1mmほどのコバエの仲間で、体色が真っ黒なのが特徴です。
このコバエの発生は、室内の植物の土壌からが大半です。もし部屋の中で発生するようなら観葉植物などを調べてみましょう。
6月の羽アリ「アメリカカンザイシロアリ」
ここまで6月に大量発生する羽アリはほぼ「イエシロアリ」の羽アリとご説明してきました。しかしここでもう一種類、6月に発生する可能性のあるシロアリについてお話ししておきます。
それは「アメリカカンザイシロアリ」です。名前のとおり北アメリカ原産のシロアリです。
数は少ないものの、日本各地に点在
アメリカカンザイシロアリもともとは日本に生息していないシロアリですのでどこにでもいるというわけではありません。しかし徐々にその分布域は広がりつつあります。
現在のところ北は宮城県仙台での発見が最北で、都道府県別に見ると、山形県、福島県、埼玉県、東京都、千葉県、神奈川県、富山県、福井県、三重県、和歌山県、京都府、大阪府、兵庫県、岡山県、広島県、山口県、愛媛県、高知県、福岡県、熊本県、長崎県、宮崎県、鹿児島県、沖縄県各地に局部的に分布しています。
アメリカカンザイシロアリが最も羽アリを飛ばすのは、経験上6~7月なのですが、暖房や冷房など建物の環境によって1年中飛び立つことが事例として報告されています。
出身が四季の明確でない地域のため季節感がなく、条件さえ整えばいつでも羽アリを飛ばせるというわけです。
羽アリの特徴
アメリカカンザイシロアリの羽アリの特徴は何といってもその「大きさ」です。
アメリカカンザイシロアリは羽を付けた状態だと1cmをゆうに超えますが、他のシロアリでこの大きさの個体を見かけることはほぼありませんので区別は簡単だと思います。
また、体色は濃い褐色の体に頭から胸にかけて赤い色をしているのが特徴です。
こちらのページではアメリカカンザイシロアリについて詳しくご紹介しています。
もし「これってアメリカカンザイシロアリかも?」となった場合は一度ご確認いただき、該当するようでしたら速やかに専門の業者に相談しましょう。
さいごに
ここまで、6月に室内に発生する羽アリをご紹介してきました。
6月に発生する羽アリはシロアリでいえばイエシロアリやアメリカカンザイシロアリの可能性があること、アリとの見分け方などについて知っていただけたのではないでしょうか。
これらのシロアリを一般の方がご自身で駆除を行うのは現実的ではなく、かえって被害を拡大させてしまう恐れも十分考えられますのでおすすめできません。
- 室内に大量の羽が落ちていた
- 赤い頭の大きな羽アリを目撃した
- 顆粒状の黄色い粒が散らばっていた
もしもこういった状況を見かけたならば、直ぐに専門業者に診てもらい、被害状況の把握や駆除を行うのが得策です。
6月に発生する羽アリはイエシロアリかアメリカカンザイシロアリであるとお伝えしました。
関東地方では徐々に生息範囲を広げつつあるものの、まだまだ全ての業者が正確な処理を行えるわけではないのが現状です。
こちらのページを参考に、信頼できるシロアリ防除業者を探してみるといいでしょう。
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