床下換気扇の種類・施工方法について解説!

COLUMN

シロアリコラム

投稿日 2019.02.13 / 更新日 2025.11.04

湿気・カビ腐れ対策

床下換気扇は必要?メリット・デメリットや費用相場を専門家が徹底解説

WRITER

田中勇史

WRITER

田中 勇史

(公社)日本しろあり対策協会 防除技術委員

田中勇史

大学では昆虫類の研究に携わる。2007年テオリアハウスクリニックに新卒入社。これまで3000件を超える家屋の床下を調査。皇居内の施設や帝釈天といった重要文化財の蟻害調査も実施。大学の海外調査にも協力。しろあり防除施工士。白蟻専科研究室長。
YouTube:シロアリ駆除Channel

「床下換気扇って効果あるの?」
「業者に勧められたけど、本当に必要なのかわからない」

この記事を見ている方の中には、床下点検に来た業者から床下換気扇を提案され、設置すべきか迷っているという方も多いのではないでしょうか?

たしかに、床下換気扇は湿気対策として有効ですが、残念ながら高額での押し売りや必要ない家にまで取り付けていくことが問題になるケースがあります。

この記事では、床下換気扇の除湿効果、設置が必要な家の特徴、その他の床下湿気対策との比較について解説します。床下換気扇の設置を検討されている方は、ぜひ参考にしてください。

床下換気扇とは

床下換気扇は、「ファンで床下の空気を強制的に入れ替える装置」です。

外気を取り込みながら湿った空気を屋外へ押し出すことで、自然換気だけでは不足しがちな空気の流れを作ります。
空気が循環することで湿度が下がり、カビや腐朽菌の繁殖が抑えられるため、木材の劣化やシロアリ被害のリスクを減らすことが期待できます。

特に床下の通気口が少なかったり、住宅が密集していて、自然換気がうまく機能しない住宅では、効果を実感しやすくなります。

床下換気扇は本当に必要?

結論から言うと、ほとんどの家では床下換気扇は必要ありません。
しかし、実際には床下換気扇が湿気対策として有効な場合もあります。ここでは床下換気扇が必要ない家と必要な家の特徴について解説していきます。

床下換気扇が不要な家

ベタ基礎などの床下がコンクリートで覆われている住宅に、床下換気扇は必要ありません。
近年の住宅はほとんどの場合、コンクリートで覆われている造りをしているため、特別な理由がない限り、設置は不要です。

コンクリートは湿気を通しにくいので、土壌から水分が上がってくるという心配はほとんどなく、自然通気だけで湿度が安定します。

そのため、床下が乾燥しているのに高額な換気扇をすすめられたら要注意です。まずは木部の含水率や湿度を計測してもらうなど、床下換気扇の設置が必要な根拠を確認しましょう。

新築5~10年までは湿度が高い可能性がある

建てて間もない住宅の基礎コンクリートには水分が多く含まれています。そのため、床下空間に水分が蒸発してこもる可能性があります。木材にカビなどが発生している場合は、換気扇を設置して湿度をコントロールしたほうがいい場合もあります。

床下換気扇が必要な家

一方で、床下がむき出しの土のままになっている家では、状況によって床下換気扇が必要である場合があります。
土が湿気を吸い上げやすく、雨や地下水位の影響も受けやすいため、空気の流れが滞ると湿度が急上昇する可能性があるからです。

そのため建物の立地条件や構造によって湿気がたまりやすいことがあります。次のような自覚症状や条件に当てはまるかチェックしてみましょう。

自覚症状について
  • 1階がカビ臭い
  • 部屋がジメジメする
  • 押し入れや畳が湿っぽい
立地・構造の特徴
  • 敷地が周りの土地より低い
  • 地下水位が高い
  • 床下土壌が敷地より低い
  • 水田や湿地を造成した土地
  • 床下の高さが足りない
  • 増築している
  • 基礎の通気が妨げられている
  • 住宅密集地(隣家が近い)
  • 床下浸水したことがある
  • 配管からの水漏れ、雨漏れがある

上記の条件に1つでも当てはまるようであれば、一度業者に相談し、床下換気扇が必要かどうか確認したほうが良いでしょう。

床下換気扇の効果とは

床下換気扇は、床下の空気を循環させることで高湿度の状態を緩和し、木材の含水率低下に作用するとされています。

メーカーの試験(※セイホープロダクツの実験結果参照)では、床下換気扇を設置したテストハウスと設置していないテストハウスの木材含水率を観測した結果、未設置の木材含水率が25%に対し、設置した方は20%と、約5%低かったという結果が出ました。

木材含水率はカビや木材腐朽菌の発生と強く関係しており、一般的に25%を超えると腐朽が発生すると言われています。

床下換気扇で空気の循環を生み出し、木材含水率を25%以下に保てる環境に近づけることは、カビや腐朽による木材の劣化を防ぎ、湿気を好むシロアリの抑制にも繋がります。

床下換気の仕組みと換気扇の種類

床下換気扇の換気は、今ある床下の空気の排気と外気の流入で成り立っています。

まず、換気口に設置した換気扇が床下内部の空気を排気します。その結果、床下全体の気圧が下がり、換気扇を取り付けていない換気口から、外気が流入するといった仕組みです。

そのため、換気扇を設置した箇所の空気だけが排気されるのではなく、離れた換気口からも外気が流入するため、床下全体の換気が行えます。

換気口がない場所には、拡散型、または撹拌型を設置することで、空気の流れを生み出します。

給排気型 拡散型 撹拌型
通気口付近に設置し、床下の空気を外に排出し、外気を床下に取り入れる。 給排気型と併用を前提に使用する。
空気の流れが悪い場所に設置し、強い風を送ることにより空気の流れを作る。
近年はパワーが上がり攪拌型の役目も兼ねられる。
給排気型と併用を前提に使用する。
空気の流れが悪い場所に設置して、空気を散らし換気を均一化する。
最近は高風量の拡散型に置き換わるケースが増加している。

おすすめしない床下換気扇の種類

床下換気扇の種類によっては、設置することで逆効果になることがあります。

特に、通気口をパネル等で完全にふさいでしまう形状の製品はおすすめできません
床下換気扇は多くの場合、外気が乾いている時間帯(主に日中)だけ運転し、夜間は停止する制御です。停止中は、通気口からの自然換気が床下の湿気を逃がす大切な役割を担っています。

そのため、通気口を完全に塞いでしまうと、停止中に湿気の逃げ道がなくなり、かえって湿度をため込みやすくなります。

床下換気扇にかかる費用とは

ここでは30坪(約90㎡)の戸建てをモデルに、床下換気扇を設置する際の初期費用と電気代、メンテナンス費用について解説します。ご自宅の条件に置き換えながら、費用の目安として参考にしてください。

床下換気扇の寿命は約10年のものが多いです。
導入を検討される際は、初期費用だけでなく、毎月かかる電気代も合わせてトータルで比べてみると、より安心して選べます。

必要台数 2~4台
初期費用 10~30万円
1ヶ月の電気代 約117円/台
(1日5時間運転、50Hz、1kWh=26円)
メンテナンス費 10~30万円
※故障や寿命の際は交換が前提になります

 
1階の床面積が30坪(約90㎡)程度の住宅であれば、床下換気扇の台数は2〜4台あれば十分効果があります。
また、費用としても取り付け工事費用を合わせても10数万円から高くても30万円くらいまでですので、換気口すべてに設置の提案をしたり、この金額を大きく上回るような見積もりを出された場合は、悪質業者である可能性があるので注意しましょう。

その他の床下湿気対策との比較

床下の湿気対策は床下換気扇のほかにも、調湿剤、防湿シート、テクノガード工法があります。

ここでは、床下の湿気対策について比較してみます。

床下換気扇 調湿剤 防湿シート テクノガード工法
床下の空気を強制排気することで、外気を取り込み、湿気がたまらないようにする。 周囲の湿度が相対的に高い時に吸湿し、反対に周囲が乾燥してくると吸い込んだ湿気を排出する。 床下に敷設し、土壌から上がってくる湿気を根本的に防止する。 樹脂による強固な防蟻・防湿被膜を形成し、半永久的に床下土壌から上がってくる湿気を防止する。

 
床下換気扇が空気の循環をうながし、湿度がたまらないようにするのに対し、調湿剤は湿度調整、防湿シートとテクノガード工法は土壌からの湿気に対してアプローチします。

 
床下の湿気を解決したいと考えた時には、その原因に合わせて対策をすることが重要です。床下換気扇という方法だけにとらわれず、まずは現状の何を改善したいのか、ご自宅の床下の悩みに合わせて方法を考えてみましょう。

それぞれ湿気に対するアプローチの仕方が異なるので、まずは湿気の原因を確認しましょう。

よくある質問

Q. どのような業者に依頼するべき?
A. 床下換気扇を設置するだけであれば、工務店やホームセンターに依頼する方法もあります。
もし、床下の湿気とあわせて、シロアリ被害についても気になるようであれば、床下換気扇を取り扱っているシロアリ業者に調査依頼するのがおすすめです。
Q. 床下換気口があるけど、換気扇は必要?
A. 床下換気扇が必要か換気口の自然換気だけで十分かは、立地・土壌・日射条件によります
床下換気扇はすべての湿気の対策として万全というわけではないので、まずは床下の湿気の原因について、含水率の計測や目視の点検等で判断するのがおすすめです。
Q. 設置作業にはどれくらい時間がかかるの?
A. 建物の広さにもよりますが、点検口作成から設置まで半日〜1日で作業は完了します。約18坪(約60㎡)の建物では、3時間で設置が完了した例もあります。

まとめ

床下換気扇は条件が合えば湿気対策として有効ですが、多くの家では必要ありません。しかし、換気不良によって湿気が溜まってしまいやすい住宅にはとても有効な手段の1つであるのも事実です。

床下の湿気が気になる場合は、まずは原因を特定することが重要になってきます。床下換気扇という選択肢にとらわれず、原因によって適した対策方法をとることが大切です。

シロアリについても不安がある場合には、湿気対策も行っているシロアリ駆除業者に無料調査を依頼してみましょう。
シロアリ1番!では、湿気対策が必要ない場合は不要である旨をはっきりとお伝えし、必要な場合は選択肢を比較しながら丁寧にご説明します。お気軽にご相談ください。

シロアリ1番!は有資格のスペシャリストが対応するから防除率99.73%!
シロアリ防除率99.73%でナンバーワン
全員がしろあり防除施工士
社員の顔が見える安心力
強引な販売営業ナシ
全ての業務を自社社員で運営

「クリーンなイメージとしてのシロアリ防除業界のパイオニアであり続ける」。私たちシロアリ1番!は、安心で確実なシロアリ駆除・予防をご提供するため、お客様のことを第一に考えたサービス作りをします。点検・工事・お見積りのことなど、シロアリ対策でお困りの点がありましたらお気軽にご相談ください。

無料調査を申し込む

シロアリ1番!の無料調査についての詳細
シロアリ1番!のプラン・料金
シロアリ1番!が選ばれる理由
シロアリ1番!トップページへ

シロアリ1番!が選ばれる理由

シロアリ1番1調査申込み