湿気対策とシロアリ対策を同時に!床下の問題を一度に解決するテクノガード工法|シロアリ1番!
COLUMN
シロアリコラム
投稿日 2018.08.27 / 更新日 2021.01.13
湿気・カビ腐れ対策
湿気対策とシロアリ対策を同時に!床下の問題を一度に解決するテクノガード工法

WRITER

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木村 健人
しろあり防除施工士

シロアリ・木材腐朽菌に対する木材保存・薬剤性能評価について在学中に研究。2009年新卒でテオリアハウスクリニックに入社。数千件のシロアリ調査・駆除に従事。現在はWEBマーケティングを担当。
シロアリ対策の方法は、様々な施工方法があります。もっとも一般的な施工は、液状の薬剤を床下に散布処理するバリア工法です。シロアリ駆除(シロアリ対策)のみの場合は、バリア工法やベイト(毒エサ)工法が推奨されます。しかし、カビや腐れにお悩みの場合は、同時にカビ・腐れ対策を希望される場合がほとんどです。カビ・腐れ対策には、「床下換気扇設置」や「土間コンクリートの打設」が有効ですが、施工現場の状況によっては、工期やコストなどの問題が生じます。それに、せっかくなら一気にシロアリ駆除とカビや湿気対策を済ませてしまいたいものです。
そういう問題を解消させるのが、テクノガード工法という防蟻防湿工法です。この記事では、テクノガード工法についての施工方法や利点について説明していきます。
目次
テクノガード工法と通常のシロアリ対策との違い
テクノガード工法は、通常の液剤を使用したバリア工法とは異なり、床下土壌面全体および基礎との隙間を防蟻成分の含まれた樹脂(テクノガードポリマー)で覆い固めてしまう工法です。この工法により、従来の薬剤処理によるシロアリの防除効果に加え、床下の土壌から上がる湿気を大幅に削減することができます。そして、快適な床下空間を作るとともに、防湿コンクリート打設よりも安価に施工することが可能です。
この工法には、床下の整地作業などが加わるため、従来の液剤を使用したバリア工法にくらべると時間がかかり、高価となります。しかし、床下のシロアリ・防腐(腐れ)・防カビ・湿気対策を一度に行うことができるメリットがあります。
テクノガード工法で使用する薬剤
テクノガード工法では、防蟻剤、ポリマー、硬化剤を施工時にエマルジョン(混合)させて散布処理します。防蟻成分(有効成分)のアセタミプリドをはじめ、使用される資材はすべて普通物です。人やペットに対しても安全性が高くなっています。また、身近な化学物質と比べても毒性が低く、安全性の高い施工方法といえます。安全性は、LD50(※)という値で比較することができ、この値が大きいほど安全性が高いことを表しています。下記に、身近な物質との比較を記載します。
物質 | LD50(mg/kg) | 含まれる物質・用途 |
---|---|---|
フグ毒 | 0.0085 | フグ |
ニコチン | 24 | タバコ |
カプサイシン | 60-75 | 唐辛子 |
カフェイン | 174-192 | コーヒー・お茶 |
ビタミンC | 11900 | 野菜・果物 |
テクノガード防蟻剤 | 2000以上 | 防蟻剤 |
テクノガードポリマー | 2000以上 | ポリマー・硬化剤 |
※数値が低いほど急性毒性が低い(=安全性が高い)ことを示しています。
※LD50…半数致死量のこと。物質の急性毒性の指標で、投与した動物の半数が死亡した用量のこと。
安全性が高いため、施工中でもお客様はお部屋で普段どおりお過ごしいただけます。施工中のニオイについては、個人差がありますが、以前のような何日もずっと臭いが残るものではありません。
テクノガード工法は床下の湿気対策にもなる
もし自分の家で
- 1階の押入れの中が湿気ている
- 湿気やカビ臭さを感じる
- 床下の木材が腐朽している
- 床下の木材の含水率が25%以上ある
- 床下の土壌が湿っている
といった症状を感じていた場合は、湿気対策をおこなう必要があると思われます。テクノガード工法は、床下からのシロアリの侵入の予防に加えてこれらの状況の改善も見込めます。
1.床下土壌が湿気た状態
2.床組部材にカビが発生している
3.木材腐朽菌の発生(菌糸の発生)
4.腐朽菌の子実体(きのこ)の発生
特に、木材の腐朽(腐れ)は木材の強度を著しく低下させます。そのため木材腐朽が進む含水率28%以上とならないような床下空間づくりが必要です。そもそも、床下が湿潤する原因は主に土壌からの水分と、湿潤した床下の換気不足です。土壌からの湿気を遮断するテクノガード工法は、湿気に対する根本的な対策となるので非常に有効です。
テクノガード工法での施工の流れ
テクノガード工法の1日の流れについて説明します。
1.整地作業
整地前の状態
まずは、床下の大きな石やゴミなどを取り除きます。そして土壌面も平らにしていきます。この整地作業が通常の防蟻施工(バリア工法)には無い作業です。地面を平らにすることで、散布するポリマーを均一に施工することが可能となります。
整地後の状態
大きな石やゴミなどが取り除かれ、土壌面が平らになっています。この作業が終わると、薬剤散布の工程に入ります。床下の状況により、この整地作業は時間が大幅に変わることがあります。
2.木部処理
整地が終わったら、まずは露出している床下の木材に薬剤を処理します。土台や束柱、大引などの木材部は、防腐・防蟻効果のある液体状の薬剤を散布・吹付けし、木材を腐朽(腐れ)やシロアリの蟻害から守ります。
3.テクノガードポリマー処理
ポリマー散布中
テクノガードポリマーを散布していきます。ホースを床下に伸ばして専用ノズルを使用して施工します。液剤を使用した従来のバリア工法では、約2時間で完了となりますが、テクノガード工法は隙間・ムラなどができないようゆっくりと散布をしていきます。そのため、施工は1日がかりとなることがほとんどです。水色のポリマーで床下全体を覆っていきます。
ポリマーの散布後
散布後は、ポリマーで水色~白色をしています。乾くと透明になり、表面は完全に固まります。最後に、ポリマーの散布漏れがないことを確認したら、作業終了となります。
テクノガード工法で施工した床下は経年で固まっていく
こちらが弊社でテクノガードを施工した建物の床下です。土壌表面がコーティングされている様子がわかります。テクノガード工法で施行した床下は完全に固まるまでに時間はかかるものの、ポリマーが乾燥した後はシロアリ・防腐・防カビ・湿気対策効果が発揮されます。湿気に関しては、何も処理していない土壌と比較するとおよそ6倍の遮湿効果があります。
テクノガード工法は、このようにシロアリ対策と湿気対策を同時に検討している方に非常におすすめです。弊社では、シロアリや湿気のお悩みに関する床下調査は無料にて承っております。テクノガード工法について気になる場合は、お気軽にご相談下さい。
※床下の構造などによっては、テクノガード施工が行えない場合もあります。 ※施工後、床下に入れるようになるまで(完全に固まるまで)2~3ヶ月かかります。
※テクノガード工法は日本農薬株式会社商標です。