シロアリの「ニンフ」って?特徴や役割について紹介|シロアリ1番!

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シロアリコラム

投稿日 2020.11.17

シロアリ駆除

シロアリの「ニンフ」って?特徴や役割について紹介

WRITER

田中勇史

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田中 勇史

しろあり防除施工士

田中勇史

大学で昆虫類、特にニホンミツバチ・スズメバチに関する研究に携わる。2007年テオリアハウスクリニックに新卒入社。シロアリにとどまらずハチやアリ、害虫全般の駆除・調査に従事。

今回ご紹介するのはシロアリの「ニンフ」に関する情報。

「ニンフって何?」と思う方も多いかも知れませんね。

本日は不思議なシロアリのニンフの世界にお連れしたいと思います。

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そもそもシロアリのニンフとは?

ヤマトシロアリのニンフ

昆虫の世界でニンフとは「幼虫」の事をいいます。

ニンフという表現がよく使われるのは「水棲昆虫」の仲間です。

水棲昆虫とは

  • カゲロウ(メイフライ)
  • トビケラ(カディス)
  • カワゲラ(ストーンフライ)

 

などの水中や水面で生活する昆虫のことをいいます。ちなみにトビケラのようなサナギになるタイプの昆虫はニンフの代わりに「ラーバ」と呼ばれることの方が多いです。

釣りをされる方、特にフライフィッシングをされる方にはお馴染みの言葉ですね!

シロアリの場合、ニンフの意味合いは他の昆虫とはちょっと異なります。

シロアリのニンフとは「生殖虫になる一つ前の段階」を表します。

生殖虫とは「羽アリ」の事で、シロアリは繁殖期になると巣の中の一部のシロアリが羽をつけ、新たな巣を作るために飛び立つのです。

もしかすると「ニンフと羽アリは何が違うの?」と思われる方もいるかも知れませんが、それは後ほどニンフの役割と一緒にお話しさせていただきます。

◇おさらい

  • ニンフとは一般的には「幼虫」を指す
  • シロアリの「ニンフ」は他の昆虫とは意味合いが違う
  • 具体的には「羽アリになる前の姿」を指す

シロアリのニンフの見た目の特徴

カンザイシロアリのニンフ

シロアリは「社会性昆虫」と呼ばれ、1匹1匹が自分の「階級」を持っています。

同じシロアリでも階級によって見た目が違うことがあります。

例えば外敵から仲間を守る「兵蟻」ならば他のシロアリと違い大きな顎を持っていますし、巣を創った「女王アリ」は黒い肌をしています。

ニンフはというと、全体の大多数を占める働きアリの「職蟻」とあまり見た目は変わりません。

しかし、ニンフには職蟻とは決定的に異なる部位が存在しています。

それは胸部背面(背中に当たる部分)に翅芽と呼ばれる「翅を作るスペース」があることです。

翅芽はニンフが成長するにつれて大きくなり、やがて翅鞘(ウイングケース)へと変化します。この翅鞘の中で翅が作り出されます。

いきなり翅を伸ばすのではなく、まずは翅を作るためのケースをしっかり作っていくんですね。

この部位があるかないかを確認することで簡単に職蟻の中からニンフを見つけることができるというわけです。

ちなみにすべてのシロアリには階級に応じた「仕事」がありますが、ニンフが普段何をしているのかと言うと、職蟻と同じように餌を取ったり卵や幼虫達の世話をしたりしています。

◇おさらい

  • ニンフの見た目は他のシロアリとあまり変わらない
  • 大きな違いは背中の「翅」を作る部位の有無
  • 普段は働きアリと同じような仕事をしている

シロアリのニンフが存在する理由

ヤマトシロアリの副女王
ここまでシロアリのニンフの特徴についてご紹介してきましたが、そもそもニンフ自体どうして存在するのでしょうか。

それは生殖行動のためです。

先程、シロアリのニンフは生殖虫になる一つ前の段階で、ニンフが成長したその後の姿が羽アリであることをお話しました。

しかし、実はニンフにはもう一つ形態が存在していて、羽アリにならない道をたどることもあります。

では何になるかというと副王や副女王です。これらの階級のことを「副生殖虫」といいます。

シロアリの女王は特殊なフェロモンを出しており、基本的には女王が生きている間は他のシロアリは生殖機能を持つことができなくなります。しかし女王が死んでしまった時、フェロモンの影響を受けなくなったシロアリの中から新たな女王が副生殖虫として誕生し、これまでの女王に代わって卵を産み始めるのです。

副女王になるシロアリの元々の階級は決まってはいませんが、元々の階級がニンフであった副女王は「ニンフ型」と呼ばれます。

副女王となったシロアリは腹部が産卵ために発達して大きくなるので、ニンフを太らせたような体形になります。しかし元々背中についていた「翅芽」は残ったままなので、これの有無でニンフ型の副女王かどうかを見分けることができます。

外界に出て新たな巣を構築するのか、元の巣の中で繁栄を継続するのかの違いはありますが、いずれにしてもニンフは「生殖行動」を行う個体へと成長を果たすんですね。

◇おさらい

  • ニンフが存在するのは「生殖行動」のため
  • ニンフは羽アリとなって飛び立ち新たな巣を創設する
  • ニンフはこれまでの女王に代わって新たな女王になることもある

まとめ

羽化直後のシロアリ
今回はシロアリのニンフについてご紹介してきましたが、いかがだったでしょうか。

巣の中でニンフがたくさんつくられるのは冬の寒い時期になります。

1月辺りから生産が開始され、4月頃までは巣の中で職蟻と同じように過ごしますが、繁殖期の4月になると一斉に羽アリへと姿を変え、外界に飛び立っていきます。

シロアリは冬の間も他の昆虫のように冬眠をすることなく、巣の繁栄のため着々と準備を進めているのです。

大切なお建物をシロアリから守るためにはまず予防が大切です。

シロアリが子孫の繁栄のために生殖虫を生産し準備している冬の間にこそシロアリが入ってこないよう人間側も準備をする、予め対策を打っておくというのはとても良いことなのです。

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