シロアリ駆除はスプレーでは行うことができない理由|シロアリ1番!

COLUMN

シロアリコラム

投稿日 2020.03.16 / 更新日 2023.05.23

シロアリ駆除

シロアリ駆除はスプレーでは行うことができない理由

WRITER

上野山典之

WRITER

上野山 典之

しろあり防除施工士

上野山典之

2015年新卒でテオリアハウスクリニックに入社。シロアリ防除工事に従事し、1000件を超える住宅メンテナンスに携わる。毒物劇物取扱責任者や第二種電気工事士など多数の資格を所有。

シロアリ駆除にスプレーを使う人「毎年5月の始めになると羽アリが出てくるから大変だ・・・シロアリ駆除用のスプレーを探さないと・・・」

 

残念ながら市販のスプレーでは根本的なシロアリ駆除を行うことはできません。

このページでは

  • スプレーを使った後放置してしまうと状況は悪化する
  • 市販のスプレーでのシロアリ駆除はあくまでも応急処置
  • 羽アリが出た時は専門家による対応が必要

 

こういったテーマで市販のスプレーでシロアリ駆除を行う時に気をつけないといけないことをご紹介していきます。

【事実】市販のスプレーはシロアリ駆除に向いていない

市販の殺虫スプレーはシロアリの駆除に向いていません。その理由は以下の通りです。

  1. シロアリは床下に無数にいるので殺虫スプレーでは駆除しきれない。
  2. 殺虫スプレーに含まれている成分は効果が長く続かない
  3. シロアリは殺虫成分に含まれる成分を嫌い移動するので別の場所で被害が広がる

 

それぞれについて詳しく解説していきます。

シロアリは床下に無数にいるので殺虫スプレーでは駆除しきれない。

まずはスプレーを使う状況をイメージしてみてください。

羽アリはこんな感じで部屋の隙間から無数に出てきます。この隙間の下にはたくさんのシロアリがいます。確かに地上に出てきたシロアリは殺虫スプレーを使えば確実に駆除することができます。しかし、内側にいる小さな壁の隙間から殺虫剤をかけただけではそれらのシロアリを駆除することはできません。

殺虫スプレーに含まれている成分は効果が長く続かない

殺虫スプレーを含めた薬剤には以下の2つの考え方があります。

  • 残効性
  • 即効性

 

残効性とは「その効果がどれだけ続くのか」という基準、即効性とは「瞬間的にどれくらいの威力がある薬剤なのか」という基準です。

殺虫スプレーは即効性はあるが残効性は低い有効成分であることが大半です。狭い範囲に瞬間的な効果を発揮する殺虫スプレーでは、広い範囲に大量に生息しているシロアリの駆除は難しいといっていいでしょう。

シロアリは殺虫成分を嫌い移動するので別の場所で被害が広がる

効果が続かないだけだといいのですが、大抵の殺虫スプレーは「忌避性」という性質を持っています。

まずは手元にある殺虫スプレーの有効成分を確認してみましょう。恐らく「ピレスロイド」と書かれているのではないでしょうか。ピレスロイドは殺虫スプレーの有効成分としてよく利用される「忌避性」を持った物質です。

忌避性がある成分があると虫は嫌がって逃げて行ってしまいます。身近な例だと蚊取り線香にも含まれています。

一見メリットのように思えますが、シロアリに対してはデメリットとなります。殺虫スプレーが直接ヒットして駆除できる範囲はとても狭いと先ほどご紹介しましたが、駆除されたシロアリの周りにいた無数のシロアリは殺虫スプレーの成分を嫌いその場から逃げていきます。そして逃げた先でも建物に対して被害を出し続けます。

このような流れで、殺虫スプレーを使えば逆に被害が大きくなってしまう可能性があるということを頭に入れておきましょう。

シロアリ駆除用のスプレーはあくまでも「応急措置」

これらの理由から、私たちシロアリ駆除業者は殺虫スプレーを使うのではなく

  • 掃除機で吸う
  • ビニール袋で集める

 

といった方法を取ることを推奨しています。元々シロアリは弱い生き物なので、掃除機のような少しの衝撃を与えれば殺虫スプレーをかけなくてもすぐに死んでしまいますし、殺虫成分によって大元のシロアリ達を刺激しなくて済みます。

とはいえ壁の中や床下から無数のシロアリが出てくると「とりあえずまずは退治してしまいたい」と思うのは仕方ないと思います。

殺虫スプレーは確かに範囲が限られている上に被害が広がってしまうリスクはあるものの、地上に出てきたシロアリをサッと動かなくすることができるので、羽アリが発生した時の対策として便利な道具であるように思えます。

しかし覚えておいて欲しいのは、「殺虫スプレーはあくまでも応急処置である」ということです。シロアリは小さい生き物なので、例えその場から逃げ出してしまったとしてもすぐに被害が拡大するわけではありません。しかし殺虫スプレーで地上に出てきた羽アリの駆除をして「これで安心」と思ってしまうのは非常に危険です。

スプレーを使わなかったとしてもシロアリ駆除を行わないのは危険

放置して拡大した玄関のシロアリ被害

もちろん殺虫スプレーを使ったか使わなかったに関係なく、シロアリ駆除を行わずに放置してしまうことは危険です。

「業者にお願いすると大げさだし、羽アリも収まったみたいだしまあいいかな?」

こう考えている内に床下ではシロアリの被害がどんどん進行していきます。

確かに市販の殺虫スプレーに比べればシロアリ駆除業者による工事の額面は10倍以上です。しかしもし大規模な被害にあってしまうと、部材の交換を行うにはそれよりも更に高額な費用がかかってしまうことになります。

目先の出費にとらわれるのではなく、しっかりと根本的な対策を行うことが大切です。

スプレーだけで終わらずにシロアリ駆除の専門家に相談を!

羽アリは床下にいる全体のシロアリの「1割程度」だと言われています。

そもそも羽アリがどうして発生するかというと、床下で暮らすシロアリの数が十分に増えて一部のシロアリが新しい巣を作ろうと旅立つからです。出てきた羽アリを全て取り除いても、床下にはまだまだたくさんのシロアリが住んでいるのです。それを放置してしまうとどうなるかは大体想像が付くのではないかと思います。

床下のシロアリ駆除を自分で行うのはあまり現実的ではないと思います。まずは床下の無料点検を行って現在の状況を正確に把握していただく事をおすすめします。

シロアリ1番では経験豊富なスタッフが点検にお伺いし、被害の状況をしっかりと確認した上で、建物や住まわれている方に合ったご提案をさせていただいています。

もし「羽アリが出てきて困っている」という方は、お気軽に無料調査にお申込みください。それ以外にも「こういう時はどうすればいいの?」といったご質問もお問い合わせフォームより受け付けていますので何でもご相談ください!

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