シロアリ予防は必要ない?5年ごとが“正解”といわれる理由を専門家が解説|シロアリ1番!
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シロアリコラム
投稿日 2018.08.20 / 更新日 2025.11.17
シロアリ駆除
シロアリ予防は必要ない?5年ごとが“正解”といわれる理由を専門家が解説
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大学では昆虫類の研究に携わる。2007年テオリアハウスクリニックに新卒入社。これまで3000件を超える家屋の床下を調査。皇居内の施設や帝釈天といった重要文化財の蟻害調査も実施。大学の海外調査にも協力。しろあり防除施工士。白蟻専科研究室長。
YouTube:シロアリ駆除Channel
「シロアリ予防工事は繰り返しする必要があるの?」
「保証が切れたけど再施工って必要ないですよね?」
そんな疑問を持つ方も多いのではないでしょうか?実際、被害が出ていないのに5年ごとのメンテナンス費用をかけるのは、少しもったいないと感じるのも自然なことです。
しかし一方で、大切な住まいを長く快適に保つためには、シロアリによる被害を防ぐことが欠かせません。
この記事では、なぜ5年ごとのシロアリ予防が基本とされているのか、その理由や背景を専門家の視点からわかりやすく解説します。
目次
「うちは必要ない」と思われがちな理由とは?
シロアリ予防に関して、「うちは大丈夫」「シロアリなんて関係ない」とお考えの方も少なくありません。
- 鉄骨造やRC造など木材の露出が少ない構造の住宅
- 築5年以内の比較的新しい住宅
- 床下がベタ基礎やコンクリートで覆われていている住宅
特に以上のような住宅にお住まいの方は、シロアリが入り込む余地はないと感じいている方も多いでしょう。
また「これまで被害が出ていないから大丈夫」と考えるのは自然なことです。
目に見える被害がないからこそ、どうしても緊急性を感じにくく、対策の必要性を感じないという方も多くいます。
実は油断できない!シロアリ被害の落とし穴
しかし、構造や築年数に関係なく、シロアリ被害が発生しているのも事実です。
たとえば、鉄骨造の住宅であっても、シロアリによる被害が確認された事例があります。「鉄骨だからシロアリが食べるものはないはず」と考えてしまいがちですが、住宅では内装材や下地材、建具の一部などに多くの木材が使用されています。
また、ベタ基礎や床下がコンクリートで仕上げられている住宅でも、必ずしも安心とは言い切れません。「土壌じゃなければシロアリが侵入できる場所はない」と考える方も多いのですが、コンクリートは経年によって収縮し、わずかな隙間やひび割れが生じることがあります。シロアリは0.6mmの隙間があれば通過できると言われているため、わずかな隙間であっても通り抜けることができるのです。
さらに、水周りでの漏水や、通気が悪く湿度が高い状態が続いていると、構造にかかわらずシロアリが好む環境が整ってしまいます。実は新築でもシロアリ被害にあってしまう原因の一つに、床下の高湿度が挙げられます。
薬剤の効果は5年が目安。なぜ“5年ごと”の予防が今も基本なのか
シロアリ被害は、建物の構造や築年数を問わず発生する可能性があります。そのため、長く快適に暮らすためには、定期的な点検と薬剤の再処理を行うことが大切です。
ここでは、シロアリ予防で一般的に推奨されている「5年」という期間が、どのような根拠に基づき、広く採用されているのかについて解説します。
5年という基準は「薬剤の有効期間」と「環境変化」で決まる
「シロアリ予防は5年ごと」が基本とされるのは、公益社団法人日本しろあり対策協会が定める標準仕様に基づくものです。
近年では、シロアリ予防に使われる薬剤が安全性・効果の持続性・臭いなどの点で改良されるとともに、環境への配慮も重視されるようになりました。現在は自然に分解されれることで環境に負担をかけにくい成分の薬剤が主流になっています。
協会では5年を超えて長期間有効な薬剤は環境によくないと考えています。そのため認定する薬剤の有効期間は5年になっています。
引用:公益社団法人日本しろあり対策協会
このような環境への配慮の結果、薬剤効力は5年持続するものが主流となっています。薬剤は時間の経過とともに光・熱・水分などの影響で徐々に分解が進むため、協会ではこの5年を目安に再処理を行うことを推奨しています。
つまり、環境への配慮と防蟻効果を両立するために、5年ごとの予防工事が理想的とされているのです。
- 光
- 熱
- 水分
- 強アルカリ、強酸
- 金属イオン
- バクテリア(シュードモナス)
「薬剤の成分が揮発するから効果がなくなる」という説明は間違いで、生物的要因や化学的要因によって自然に分解されるのです。現在のシロアリ防除薬剤は、飽和蒸気圧(揮発のしやすさ)が非常に低く、ほぼ空気中に揮発することはありません。
10年保証やホウ酸処理もあるけれど…注意すべきポイント
一方で、近年ではホウ酸処理や10年保証を掲げる会社も増えてきています。
ホウ酸は長期的な防蟻効果が期待できる素材として知られていますが、自然に分解されないという特性があり、湿気や水分に弱い点が大きなデメリットです。そのため、施工環境によっては効果を十分に発揮できず、土壌への流出や地下水汚染といった環境面での課題も指摘されています。
また、10年保証といっても、実際に薬剤が10年間効果を保つわけではありません。
多くの場合、5年ごとの点検や再施工を前提に保証が延長される仕組みであり、「保証期間=安心な期間」ではないことを理解しておく必要があります。
シロアリ1番!が5年サイクルを推奨する理由
シロアリ1番!では、長年の防除実績と環境への配慮、薬剤の安全性などを総合的に判断し、「5年サイクル」こそが最も安全で確実な施工が可能になると考えています。
また、私たちは保証の長さよりも効果の確実性を重視し、目に見えないリスクに備え、適切なタイミングで確実な施工を行うことを心がけています。
「必要ない」かどうかを見極める3つのチェックポイント
シロアリ業者の中には、必要ないのに工事を勧める業者もいます。
ここでは、いま本当に施工が必要かを簡単に見極められる以下の3つのポイントを解説します。
- 築年数や前回の施工からの経過年数
- 床下・基礎構造と湿気の状態
- 建物の周辺環境
築年数や前回の施工からの経過年数
大前提として、保証期間内であれば施工は不要です。
同様に新築時の予防工事から5年以内であれば、再度予防工事をする必要はありません。
しかし、築5年以上が経過している、または前回の防蟻処理から5年以上過ぎている場合には、薬剤の効果が少しずつ薄れてきているため、そのまま対策をしていないとシロアリ被害にある可能性が高くなります。
実際、国土交通省が実施したシロアリ被害実態調査報告書では、築25年以上になると5棟に1棟がシロアリ被害を受けているという事が明らかになっています。

もちろんすべての家が被害に遭うわけではありませんが、シロアリ被害は目に見えない場所で静かに進行するため、いつ被害が起こるかを予測することは困難です。薬剤効力がない状態で何もしないと、シロアリ被害を受けるリスクがどんどん上がるということは理解しておきましょう。
床下・基礎構造と湿気の状態
床下の状態や構造によっては、必ずしも施工が必要でない場合もあります。
たとえば、1階がまるまるガレージになっていて玄関や居住スペースが2階にある住宅などです。
一方で、通常の住宅のように1階にも居室がある家は、床下空間が存在するため、シロアリが侵入しやすい環境が整いやすくなります。そのため、こうした住環境では予防のために定期的な施工を行うことが大切です。
建物の周辺環境
周辺環境によっては、シロアリが建物に寄って来やすくなる場合があります。
たとえば、敷地内に樹木が多い、隣家との距離が近く日陰ができやすい、水路が近くにあり常に水分が供給される環境などが挙げられます。これらの条件がそろうと、湿気がこもりやすく、シロアリが好む環境が整いやすくなります。
特に基礎際に物を置いていたり、大きな物陰を作ってしまうと、シロアリの侵入経路ができてしまいます。日頃から建物をシロアリが快適な環境にしないように心がけておくと、それだけでもシロアリの侵入を防ぐことができます。
リフォームと一緒に実施すれば効率的!補助金活用も◎
シロアリ被害を確実に防ぐためには、定期的な予防施工が欠かせません。しかし、シロアリ予防のためだけに工事の費用や日程を確保するのは、負担と感じる方も多いでしょう。そんなときは、リフォームのタイミングを上手に活用するのがおすすめです。
たとえば、床下断熱工事や浴室リフォーム、内窓の設置などを検討している場合、同時にシロアリ予防工事を行うことができる場合があります。一度の工事で断熱と防蟻の両方をまとめて実施できるため、施工期間を短縮することが可能です。
また、住宅の性能を高めるリフォームでは、自治体や国の補助金制度を活用できることもあります。断熱や省エネ改修とあわせてシロアリ予防を実施すれば、住まいの快適性と耐久性を同時に向上させることができるでしょう。
よくある質問Q&A
- Q.5年経過しても多少薬剤効果は残ってると思うから、数年後に再処理すればいいですよね?
- A.シロアリ防除薬剤は散布直後から分解が始まります。その分解が徐々に進行していき、5年が経過するころには大半の成分が消失してしまうため、5年スパンでの再処理が最適です。

- Q.昔は半永久的に効果がある薬剤だったんでしょ?
- A.たしかに以前の薬剤はクロルデンに代表される有機塩素系薬剤が使用されており、半永久的な効果がありました。
しかし、以前の薬剤は土壌汚染や蓄積性の高さが懸念されており、現在は使われていません。現在では自然に分解される環境に優しい薬剤に切り替わっています。 - Q.5年経つ前でも再予防して良いの?
- A.もちろん可能です。ただし効果の残っている薬剤を二重で散布しても効果がより強くなるわけではないため、意味は薄いかもしれません。再予防の時期について確認する場合には、専門業者に提案してもらうのがおすすめです。
まとめ
シロアリ予防を5年ごとに行うのは、環境に配慮した薬剤が時間の経過とともに自然に分解されるためであるということを解説しました。
湿気や温度の変化、周囲の環境などによって、知らないうちにリスクが高まっていることもあります。「うちは大丈夫」と感じていても、前回の施工から5年以上経っていたり、住環境に変化がある場合は、再点検や再施工を検討する時期かもしれません。
シロアリ被害は、発生してから対応するよりも、早めに予防することで被害を最小限に抑えることができます。建物を長く守るためにも、定期的な点検を心がけましょう。
また、点検や相談は無料で対応している業者がほとんどです。施工が本当に必要かを判断するためにも、不安なことがあれば気軽に専門業者へ相談してみてください。
全員がしろあり防除施工士
社員の顔が見える安心力
強引な販売営業ナシ
全ての業務を自社社員で運営
「クリーンなイメージとしてのシロアリ防除業界のパイオニアであり続ける」。私たちシロアリ1番!は、安心で確実なシロアリ駆除・予防をご提供するため、お客様のことを第一に考えたサービス作りをします。点検・工事・お見積りのことなど、シロアリ対策でお困りの点がありましたらお気軽にご相談ください。
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