シロアリ駆除剤、どれがおすすめ?選び方を徹底解説!|シロアリ1番!

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シロアリコラム

投稿日 2020.05.12 / 更新日 2022.03.26

シロアリ駆除

シロアリ駆除剤、どれがおすすめ?選び方を徹底解説!

シロアリ調査のイメージ

WRITER

田中勇史

WRITER

田中 勇史

(公社)日本しろあり対策協会 防除技術委員

田中勇史

大学では昆虫類の研究に携わる。2007年テオリアハウスクリニックに新卒入社。これまで3000件を超える家屋の床下を調査。皇居内の施設や帝釈天といった重要文化財の蟻害調査も実施。大学の海外調査にも協力。しろあり防除施工士。白蟻専科研究室長。
YouTube:シロアリ駆除Channel

こんにちは。シロアリ1番!の田中です。

現在、市場には様々なシロアリ駆除の薬剤が出回っています。

そのためか「どれを選んだら良いのか分からない、おすすめの薬剤はありますか?」というご相談をいただく機会がよくあります。

どんな薬剤が適しているかはその人が「何を重要視しているか」で変わります。

今回は、代表的な状況に応じたおすすめのシロアリ駆除剤と工法についてお話ししていきます。

おすすめのシロアリ駆除剤とその理由を解説!

安全が保証されている「認定薬剤」を選ぼう

シロアリ駆除剤について多くの人が真っ先に考えるのは、

「薬剤を床下などに処理して大丈夫なの?」
「体への影響が気になる」
「ペットへの影響はないの・・・?」

といった「人体への影響・安全性について」だと思います。特に妊婦さん、小さなお子様がいらっしゃる場合はなおのことですよね。

安全性の問題を解決するために最も効果的なのは、日本しろあり対策協会の認定薬剤で施工を行うことです。

日本しろあり対策協会による認定は、数々の厳しいテストを通過した薬剤にのみ与えられるお墨付きです。

用法用量を守って正しく使えば人体への影響は出ないように設計されており、安心してお使いいただけます。

前提条件として、認定薬剤を使って施工されることを強くおすすめします。

余談ですが、認定薬剤を使用するのは基本的に「シロアリ防除施工士」という厳格な認定資格を取得している人になります。

施工品質という面でも安心できるでしょう。

薬剤を床下に散布したくない、できない人におすすめ


確かに認定薬剤であれば安全面の問題はありませんが、それでも床下への薬剤散布を控えた方がいいケースもあります。

例えば「シロアリ薬剤に限らず洗剤や芳香剤などの化学物質全般が使えない」という方がご家族にいらっしゃる場合です。

また、「家の構造上そもそも床下への薬剤処理ができない」という方もいらっしゃいます。

そういった、「何かしらの事情で床下への薬剤散布ができない方」にピッタリな薬剤があります。

それが「ベイト工法」、いわゆる毒餌を使ったしろあり対策です。

薬剤散布が不要なシロアリ対策
ベイト工法は、シロアリ達に毒餌を巣に持ち帰らせることにより駆除を行います。

毒餌を長さが20cmほどのケース(ステーション)に入れ、建物の外周部に埋め込んでいきます。

この、「薬剤を処理するのは建物の外」というのがベイト工法の強みです。

薬剤散布が不安な方はもちろん、床下がない建物でもシロアリ対策を行えます。

ステーションは地面に見えなくなるまで差し込むので、ペットや野良猫が間違って食べてしまう事はありません。

もちろん施工後にホコリっぽさや嫌なにおいを感じることもありません。

「キッチンや洗面所など、あまり家の中を見られたくない・・・」という人にもおすすめですね。

ベイト工法でシロアリ対策をする場合の費用・保証の例

ベイト工法が安全な理由
ベイト工法で使われる毒餌の有効成分は

  • ノバフルムロン
  • クロルフルアズロン

 
などが代表的です。

これらの成分には「脱皮阻害」という効果があります。

シロアリのように脱皮を繰り返しながら大きくなっていく昆虫が脱皮行動を取れなくなり、やがて衰弱死してしまうというものです。

しかし私達人間は脱皮をしないので特に影響を受けることはありません。

また、ベイト剤はそもそもの薬剤量も他の工法に比べて非常に少ないです。

これらのことから、化学物質にアレルギー反応を示してしまう方でも問題なく使える安全性の高い薬剤だと言えます。

建物の湿気が気になる人におすすめ

「シロアリもそうだけど、1階の湿気が気になる」
「押入れのカビの匂いをなんとかしたい」

という意見も多く寄せられます。

湿気はシロアリとワンセットのようなもの、常に一緒につきまとってくる厄介な存在です。

これまでシロアリと湿気は別として考えられ、シロアリの薬剤を散布した後で床下に防湿シートや換気扇を設置する、といった方法がとられてきました。

しかし現在では、湿気とシロアリを一度に解決する薬剤・工法が確立されています。

それがテクノガード工法(※日本農薬株式会社商標)です。

樹脂コーティングで湿気をシャットアウト
テクノガード工法とは、樹脂を含んだ薬剤を床下に散布し、表面をコーティングしてしまうやり方です。

薬剤成分入りの皮膜はシロアリの侵入を遮るのはもちろん、湿気もシャットアウトしてしまうスグレモノです。

また、樹脂コーティングは床下換気扇や防湿シートと異なり、いつの間にか劣化して破けたり故障してしまう心配がなく、半永久的に効果を発揮します。(防蟻薬剤の再散布は必要です)

換気扇のように配線を増やしてどこかのコンセントから電気を供給したり、部屋の中にスイッチを取り付ける必要もありません。

これらのことから、「一度工事をしてしまえば湿気のことは何も考えなくてもいい状態にしたい」という人におすすめです。

テクノガード工法の薬剤に使われる成分とは?
ちなみに、テクノガード工法で用いられる薬剤は、アセタミプリドという有効成分で作られています。

アセタミプリドは、日本でシロアリに最もよく用いられるネオニコチノイド系薬剤の仲間であり、虫の神経に作用して痙攣や麻痺を引き起こすことで効果を発揮します。

もちろん日本しろあり対策協会の認定薬剤であり、その安全性は保証されています。

テクノガード工法でシロアリ対策をする場合の費用・保証の例

特にこだわりがない人におすすめ


「シンプルにシロアリ対策をしたい」
「なるべく価格を抑えたい」

という方におすすめなのが、バリア工法によるシロアリ対策です。

シロアリ駆除の「王道」
バリア工法は現在日本において最も主流なシロアリ対策で、床下に薬剤を散布してシロアリ防除を行います。

先ほどご紹介したベイト工法は、シロアリに毒餌を巣に持ち帰ってもらう必要があることから、効果が現れるまでに少し時間がかかります。

それに対してバリア工法での薬剤散布は直接薬剤を散布する分、その日のうちに効果を得ることができます。

また、ベイト工法やテクノガード工法と比べてもコストがかからないことから、費用も比較的安く抑えることができます。

これらのことから、「シロアリ駆除」という一点以外を気にしていないならばバリア工法がおすすめです。

シロアリ駆除剤は業者によりまちまち
バリア工法で使われるシロアリ駆除剤は業者によってまちまちで、

・ネオニコチノイド系
クロチアニジン
イミダクロプリド
アセタミプリド等

・合成ピレスロイド系
ビフェントリン
ピレトリン
シフェノトリン等

といったものが使われています。

どれを選べばよいか悩んでしまうかもしれませんが、日本しろあり対策協会が認定する認定薬剤であれば、いずれも効果や人体への安全性は保証されています。

性能に違いはさほど見られないので、「認定を受けた薬剤かどうか」だけに注目すると良いでしょう。このポイントさえ押さえておけば安全性は確保されています。

バリア工法でシロアリ対策をする場合の費用・保証の例

さいごに

今回は、ニーズ別におすすめのシロアリ駆除剤や工法をご紹介しました。さいごにもう1つ、シロアリ駆除剤を選ぶときのポイントをお伝えします。

それは、「よくわからない薬剤の使用は避ける」ことです。

現在、市場には様々なシロアリ駆除剤が出回っています。しっかりと認定を受けているものから、データが乏しく効果の信憑性が疑われるものまで様々あります。効果が検証されていない薬剤は建物の保全面でも人体への安全面でもトラブルの原因となりかねません。

「日本しろあり対策協会による認定薬剤かどうか」を判断の基準とするようにしましょう。

ちなみにですが、日本しろあり対策協会に加盟している業者は協会の認定薬剤しか使わないという決まりがあります。

そのことから、「施工業者が日本しろあり対策協会に加盟している業者かどうか」は安全な薬剤選びにも直結すると言えるでしょう。

今回お話ししたことを参考に、ぜひ後悔しないシロアリ駆除を行ってみてください!

もしご不明な点があればお気軽にお問合せください。