電灯や街灯に集まっている虫は羽アリ?家の心配はしなくても大丈夫?|シロアリ1番!
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シロアリコラム
投稿日 2021.09.17 / 更新日 2024.09.28
シロアリ駆除
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電灯や街灯に集まっている虫は羽アリ?家の心配はしなくても大丈夫?
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大学では昆虫類の研究に携わる。2007年テオリアハウスクリニックに新卒入社。これまで3000件を超える家屋の床下を調査。皇居内の施設や帝釈天といった重要文化財の蟻害調査も実施。大学の海外調査にも協力。しろあり防除施工士。白蟻専科研究室長。
YouTube:シロアリ駆除Channel
シロアリ1番!では、シロアリや蟻の羽アリが発生する5月〜9月頃、「羽アリが出てきている」というお問い合わせを毎年たくさんいただきます。
その中には「電灯や街灯に羽アリが集まっていたけど、建物に被害はありますか?」というお問い合わせをいただくこともあります。この記事では、羽アリが電灯や街灯に集まる理由や羽アリの建物へのリスクについて解説します。
目次
羽アリなどの虫が電灯の光に集まる理由
多くの虫が電灯などの光に集まる理由は紫外線です。本来、昆虫は月明かりを頼りにその僅かな紫外線をキャッチして高さや方向を一定に保つ能力を持っています。
電灯や街灯の明かりには虫を引き寄せる紫外線を多く発するものがあり、これを月明かりと勘違いして飛んでいる虫たちが四方八方に発せられる紫外線に釣られて周囲を回ってしまうのです。
この行動は虫が光に反応して移動することから走光性と呼ばれます。更に、光に向かう場合を「正の走光性」、光を避ける場合を「負の走光性」と言います。
シロアリの羽アリは走光性がある
ではシロアリの羽アリはどうなのかと言いますと、種類によって様々ですが多かれ少なかれ走光性は持っています。この差は羽アリの飛ぶ時間帯の違いによって変わり、日中に飛ぶ種類ほど走光性は薄まる傾向があります。
私たちが良く目にするヤマトシロアリは日中に飛ぶ種類のため出現する時間帯的に街灯に集まることはありません。対して海岸線沿いや西日本方面に多いイエシロアリは、夕方から夜にかけて飛ぶので正の走光性が強く出ます。
電灯に集まる羽アリの正体を見分ける方法
電灯や街灯に集まる飛翔昆虫には様々なものがいます。蛾やカナブンなどの大型昆虫をよく目にする方も多いと思いますが、ここでは羽アリの種類や羽アリに似た昆虫を見分ける方法をご紹介します。
- イエシロアリの羽アリ
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- 6月から7月にかけて発生する
- 夜に発生(20時前後が多い)
- 体長:7~15mm
- 体色:全体的に茶褐色
- 生息域:関東沿岸以南
- 触角:数珠状
- 羽:薄茶色、翅脈が薄く細かい
- 建築物を加害する
- ケアリ(トビイロケアリ)の羽アリ
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- 6月下旬から7月にかけて発生する
- 夜に発生
- 体長:4mm(オス)〜10mm(メス)
- 体色:全体的に褐色〜茶褐色
- 生息域:北海道〜九州
- 触角:くの字型
- 羽:透明、翅脈が太く数が少ない
こちらは最もイエシロアリと間違えられる確率が高いクロアリで、飛ぶ時期がイエシロアリと被ります。見分けるポイントは体色の違いと触角の形、羽の模様の違いです。
また、シロアリとクロアリとでは体型に大きな違いがあります。シロアリは頭、胸、腹部の3つの部位の中で胸と腹部がほぼ一体型をしており見た目は寸胴型に見えます。一方クロアリでは頭、胸、腹部は綺麗に分かれておりその間は非常に細く括れているので判別は容易にできます。
- キイロシリアゲアリの羽アリ
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- 8月下旬から9月にかけて発生する
- 夜に発生
- 体長:2mm(オス)〜7mm(メス)
- 体色:黄褐色
- 生息域:北海道〜九州
- 触角:くの字型
- 羽:透明、翅脈が太く数が少ない
- カゲロウなど水棲昆虫の成虫
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- 8月から9月にかけて発生する
- 夜に街灯に集まる
- 体色:褐色など
- 生息域:北海道〜九州
- 触角:短く直線状
こちらも間違われることがありますが翅の大きさや形、体型で区別が付きます。翅はクロアリ同様に前翅が大きく三角形をしています。シロアリの翅は細長い楕円形といった印象を受けます。
体形もカゲロウは頭が小さい割りに目が大きく、寸胴型という意味では似ているかと思いますが腹部末端には通常2~3本のテイルと呼ばれる尾を持っているので区別は容易にできます。また、カゲロウなどは地面に降り立った際に翅を上に折りたたむため、シロアリとは違った翅の構造をしています。シロアリは横に水平にたたみます。
電灯に集まる羽アリで注意するべき種類は「イエシロアリ」この一種類のみです。イエシロアリの羽アリの特徴はしっかりと覚えておきましょう。
羽アリの見分け方についてはこちらのページでもより詳しく解説しています。もっと知りたい方はぜひ参考にしてみてください。
電灯や街灯に羽アリが集まっていた時のシロアリ被害リスク
シロアリ被害のリスクを考える上で羽アリの存在は大きいのですが、集まっている場所が内なのか外なのかでも大きく変わってきます。
- 集まっているのが外の街灯・電灯だった場合
- 街灯に集まっている場合は外での現象なので基本的にシロアリ被害のリスクをそこまで意識する必要はありません。外で飛んでいる場合、その羽アリがどこから飛び立ったものなのか特定することはできないことから、自然現象と捉えましょう。
- 集まっているのが室内の照明だった場合
-
一方で室内の照明に羽アリが大量に集まっていた場合は要注意です。こちらはイエシロアリだけでなく走光性が弱いと言われるヤマトシロアリでも見られる光景で、どちらの種類でもある可能性が考えられます。
照明に集まる場合は大きく分けて二通りあります。一つは外からの侵入で、もう一つは室内発生です。外からの侵入の場合は窓の隙間などからの侵入が多く隙間を見つけて入ってくるので必然的に数は少なくなります。数匹~数十匹単位で見つかった場合は外からの侵入を疑います。
そして、最も注意しなければならないのが数百~千匹単位で発生した場合です。この時はほぼ間違いなく建物内のどこかに大きな被害が発生していることを意味しており、早急な対応が求められます。
もし室内で羽アリが発生した場合は?
まず羽アリ自体は飛んだからといってそのまま建物内に侵入して被害を出すわけではありませんので冷静になって対処するべきです。この時、大抵は慌てて殺虫剤を使用してしまいがちですがあまり良くありません。
まだ飛んでいる羽アリだけに処理するのであればいいですが、突出口を見つけてそこから内部へ薬剤を注入してしまったりすると、一時的にはいいかもしれませんが全てを駆除することはできないため、シロアリは逃げてしまいます。
逃げた先が外でしたら問題ないのですが、大抵は被害のまだ出ていない新しい場所に移ってしまうのです。こうなってしまうと駆除したつもりが余計に被害を拡大させてしまうので、羽アリは物理的に対処する方がベストで、具体的には掃除機で吸う・粘着テープで捕獲するなどが効果的です。
室内の照明に集まる羽アリは早急に対処を
今回は羽アリを電灯の近くで見かけた場合の建物への被害リスクについて解説しました。
もし羽アリを見かけたのが外の街灯であった場合は、建物への被害を心配する必要はありません。しかし、羽アリが集まってきているのが室内の照明であった場合、建物への被害が発生している可能性が考えられます。
中にはシロアリではないケースも存在しますが、不安に感じるようでしたら一度専門家に相談してみましょう。
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