白蟻専科

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こんにちは。田中です。

今回は以前実施したムカデに対するシロアリ薬剤の検証試験の続編となります。

検証では、ムカデはクロチアニジンを主成分とする薬剤に対して非常に弱い可能性があることをお伝えしましたね。

ただ、試験としてはやや不十分な点もありました。

というのも、試験で用いた薬剤は処理層が乾いておらず、ムカデの体に薬剤が付着しやすい状態となっており、それが原因で生じた結果であることも考えられるからです。

そこで今回は薬剤層を一度乾燥させ、床下にしっかり薬剤が定着した状態を再現して試験を行ってみることにしました。

果たしてどのような反応を見せてくれるのか楽しみですね。

ムカデは乾燥した薬剤層にどんな反応を示す？

前回同様にケース中央に薬剤層を設置し、そのまましばらく放置して乾燥させます。

乾燥が確認できたところで実際にムカデを放してみました。

前回の試験では、薬剤層に触れた直後から体に付いた薬剤が気になるのかすぐに体表を舐めまわす行動が観察され、その後苦しみ始めました。

では、薬剤が乾燥している場合はどうなるのでしょうか？

ムカデが試験開始直後に示した行動

投入直後、ムカデは薬剤が染み込んだ紙の上に留まり、体を休めているようでした。

何事もないかのように居座っています。

前回見せたような薬剤を嫌がるそぶりもなく、体を舐めまわしたりする行動も見られません。

投入から10分ほど経過した頃、ムカデの触角が丸まっていたので「あれっ？やっぱり効果が出るのか？」と思われました。

しかし突っついたら元気に動き回っていたのでやはり効果は出ていない様子。

試験開始からの経過観察

やはり、変わらず効果は出ていない感じですね。

前回は10分～15分ほどで死虫が確認できていたのですが. . .

じっとしているので、一見すると元気がなくなっているように見えるのですが、触ると勢いよく走りだします。

2時間、3時間、4時間と様子を観察し続けましたが、乾燥状態のクロチアニジンではムカデに対して効果は得られないという結果が出ました。

試験結果に対する考察

やはり前回すぐに薬剤の効果が発動したのは、体表に付着した薬剤を取り除こうと舐めまわし、成分を短期間に多量に取り込んだことによる結果であったと言えますね。

というわけで前回と今回、クロチアニジンを主成分とする薬剤のムカデに対する2つの試験結果を整理してみましょう。

①床下に散布直後の濡れた状況下で歩いた、もしくは処理の際に直接薬剤をかけた場合には効果がある ②床下に散布した薬剤が乾燥・定着した段階においては薬剤効果は無くなる

ということが分かりました。

実際の薬剤効果は、こういった判定試験を行ってみなければ見えてこない事が多くあります。

これからも些細な点に目を向け、皆さまのためになる情報を発信していけたらと思います。

それではまた～